原因は執刀医の経験不足 群馬大の生体肝移植事故群馬大病院で2005年、夫に肝臓を提供した女性が手術後に下半身不随になった生体肝移植手術をめぐり、同大医学部の生体部分肝移植問題検討委員会は26日までに、手術責任者だった第1外科の第1執刀医が「620例以上」と公表していた手術経験が、実際には37例しか確認できなかったとする最終報告書をまとめた。 同大によると、執刀医は同病院のホームページで「米国の医科大で脳死肝臓移植を、300例以上の提供者(ドナー)、200例以上の移植患者を経験」「九州大で120例の生体肝移植を経験」と記載していたが、検討委の調査に「米国では手術室に入ったが、メスは握っていない」と説明。 九州大の手術もドナー31例、移植患者6例しか確認できず、最終報告書は「第1執刀医を担うだけの手術経験がなく、公表していた経歴も『不適切』だった」と結論付けた。執刀医は07年に退職、現在は福岡県内の病院に勤務している。 群馬大病院第1外科の生体肝移植手術では、1999年から06年にかけて術後1年以内の死亡例が相次ぎ、同病院の検証委員会は06年12月、第1外科について「技術が未熟」と指摘していた。 【共同通信】
|
|
ソーシャルブックマークへ投稿: (ソーシャルブックマークとは)