さいたま市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が平成20年7月に「ネットいじめ」を受け、その3カ月後に自殺した問題で、いじめの有無について再調査をしていた学校側が、保護者に「いじめの事実は確認できなかった」とするこれまでと同様の結論を伝えていたことが17日、分かった。女子生徒の母親は「納得できるものではない」と話している。
学校側は「再調査の内容については、ほかの保護者に説明した後に詳しく説明する」としている。死亡した生徒の同級生はすでに卒業しているが、学校側は23日に卒業生の保護者を含む保護者会を開き、調査結果を報告する予定。
母親によると、学校側は3月6日、3年生を対象にアンケートを行い、12日に両親に結果を報告をした。アンケートには「いじめがあった」とする回答も数件あり、「常に1人だった」などといじめを想起させる記述もあったという。
母親は「教育に詳しい第三者を調査に加えるなどの要望もしたがかなえられず、以前と同じ対応だった。なんのための再調査なのか」と憤っている。
女子生徒は20年10月、同級生の実名を挙げ「復讐(ふくしゅう)はきっちりしますからね。楽しみにしていてください。さようなら」などと書いた遺書を残して自宅で自殺した。
名指しされた同級生は20年7月、「プロフ」と呼ばれる携帯電話のサイトに女子生徒を中傷する書き込みをしていたが、直後に女子生徒に謝罪していた。
学校側は自殺を受けて11月、いじめの有無についての調査を実施。「7月以降はいじめはなかった」との調査結果をまとめ、両親に報告していた。
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