札幌市教委がインターネット上の有害サイトに対する「サイバーパトロール」に乗り出した。特定の児童や生徒のプライバシーを暴いたり、人格を攻撃したりする「学校裏サイト」や、出会い系サイトをチェックし、必要に応じて家族に知らせ、サイト開設者やプロバイダーにも削除を求めていくという。(三木一哉)
市教委指導担当課は、こうしたサイトが児童・生徒間のいじめや大人の性犯罪に巻き込まれる原因になっているとして、2月から専門業者に依頼。携帯電話でアクセスできるサイトの調査を始めた。
主な警戒対象は、いじめ、中傷、自殺や犯罪の予告などの書き込み。現在は、約10校が対象で、試行段階だが、成果が上がれば市立の小・中、高校の全校を対象に、通年の点検体制を整える。
同課は昨夏、パソコン用サイトの調査に着手。パソコンに詳しい教師をのべ千人動員し、7〜8月の6日間、一部を伏せ字にした学校名などを入力して検索をかけた。
見つかった不審なサイトや書き込みのうち、5件についてサイト設置者やプロバイダーに削除を依頼した。冬休みは、2日間の調査で13件を削除依頼した。
専門業者に依頼したのは今回が初めて。同課によると、こうした不審な書き込みの多くは携帯電話専用サイトに増えており、子どものアクセスも多いという。
市教委は09年度にPTAや学校、警察とともに子どもをネットトラブルから守るための組織を作ることも計画している。
教師によるパソコンでのパトロールも「子どもがさらされている環境を理解し、サイバーいじめなどに対する意識付けに役立つ」と今後も続けていくことにしている。
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