諏訪広域連合(連合長・山田勝文諏訪市長)は来年度、衛星携帯電話を諏訪地方の基幹病院、医師会、市町村、消防署に配備する。災害時に必要な広域的な医療連携を進めるため、関係機関が速やかに連絡を取り合い、迅速、適切に医療が行えるよう備える狙いだ。マニュアルなどを整備した上で、来年1月をめどに運用を始める。
衛星携帯電話は、人工衛星を利用した携帯電話で、通常の携帯電話が通じない山間部や海上などでも利用できるのが特長。大地震などの災害時には電話回線が混雑してつながりにくくなったり、地上設備が被害を受けて通話不能になる可能性もあるため、災害時の連絡手段として有効とされている。
同連合では、災害時の広域医療連携について検討していた「諏訪地区災害時医療対策委員会」(委員長・小松道俊諏訪市医師会長)の要望を受けて導入を決めた。同委は諏訪地方の医師会の代表と7基幹病院の救急医師で構成。昨年9月に検討結果をまとめ、連絡網の整備や衛星電話の配備を提言していた。
同連合事務局によると、電話は1台20万円ほど。市立岡谷、岡谷塩嶺、諏訪湖畔、諏訪共立、諏訪赤十字、諏訪中央、富士見高原の7病院、岡谷市、諏訪市、諏訪郡、下諏訪町の四医師会、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町の市役所・町役場(災害対策本部)と消防署、原村消防署の計22カ所に配備する計画だ。
2009年度ふるさと市町村圏基金事業特別会計当初予算案に衛星携帯電話の購入費約440万円を計上。25日開会の同連合議会3月定例会に予算案を提出した。維持管理費については各市町村で負担する。
今後、同委と6市町村の危機管理、消防、健康、福祉などの担当者でつくる「諏訪地区災害時医療連携検討会」で連絡網やマニュアルの整備を進める。同委の要望を受け、市町村と医師会が結んでいる災害時の医療救護活動に関する協定についても併せて見直しを行い、統一した対応が取れるよう検討する。