神のイチ撃!侍連覇!壮絶延長世界一
連覇達成にVサインで歓喜のイチローら日本代表ナイン=ドジャースタジアム【デイリースポーツ】
「WBC決勝、韓国3-5日本」(23日、ロサンゼルス)
侍ジャパンが大会2連覇を達成した。WBC日本代表は23日(日本時間24日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムに満員の5万4846人の観客を集めて行われた決勝で、延長十回に不振が続いていたイチロー外野手(35)が決勝の2点適時打を放ち、宿敵・韓国を5-3で振り切った。大会最優秀選手には松坂大輔投手(28)が2大会連続で選ばれた。次回の第3回大会は2013年に開催される予定。
◇ ◇
ドジャースタジアムに鳴り響いていた大合唱がやんだ。韓国への声援が一瞬にして消える。それまで静まりかえっていた日本人ファンの歓喜の声に包まれる中、日本代表ナインがマウンド付近に集まった。
侍たちの輪の中で、イチローが無邪気に笑っていた。
表彰のセレモニーでは球場内に紙吹雪が舞い、米国ではおなじみの優勝ソング「We are the champions」が鳴り響く。原監督に続き、イチローがトロフィーを両手で頭上に掲げた。
不振にもがいた天才は、最後によみがえった。延長十回、二死二、三塁。カウント2-1から4球連続でファウル。追い込まれながら逆に相手を追い詰めるイチローの真骨頂。そして8球目。シンカーを力強く振り抜いた打球が中前へ抜けた。
韓国との死闘に終止符を打つ決勝タイムリー。「ぼくは持ってますね。いやぁ、神が降りてきたという感じ。日本ではものすごいことになってるんだろうな、と自分の中で実況してた。また一つ、壁を越えました」。普段はポーカーフェースのイチローが喜びを爆発させた。
「世界一、行くぞ!」
試合前、イチローがベンチ内で組まれた円陣の中心で叫んだ。連覇にかける意気込みを体現するかのように、プレーボール直後に中前打を放った。七回には、三塁線への絶妙なバント安打で勝ち越し点をお膳立て。九回には右翼フェンス直撃の二塁打、そして締めの4安打目が決勝打となった。準決勝までの打率は・211。「谷しかなかった。最後に山に登れてよかった」。本音だった。
「大きなプレッシャーがかかった中でパフォーマンスが上がることはないんだな、と思いました。個人的には想像以上の苦しみ、辛さ、痛覚では感じない痛み、そういうことを経験しました」。その苦しみは決して人前では見せなかった。どんな時も積極的にチームメートに話しかけた。
初対面だった選手のひとり、ダルビッシュには両手をクロスして「ダルビッシュ!」とギャグと飛ばしたこともあった。2月の宮崎合宿から打撃投手を務めてきたスタッフには「肩、ひじは大丈夫ですか?」と気遣いの言葉をかけた。
不振脱出のためイチローが心がけたこと。それは『いつもの空気』を作ることだった。5タコに終わった15日のキューバ戦後には、本拠地の公式戦で打席に入る時に使用している曲をリクエストした。試合前にカレーを食べることが多かったのもシーズン中の日課の一つだ。
悲願の連覇-。侍たちを引っ張り、ここにたどり着いた。長かった道を歩き終えた。祝勝会では仲間たちが奏でるイチローコールの中、真っ先に胴上げされた。
[デイリースポーツ]
[ スポーツナビ 2009年3月25日 10:33 ]
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