ドクターヘリ始動 大間の重症患者、八戸搬送

初出動し、配備先に戻ったドクターヘリ。大間町からの重症患者が搬送された=25日午後零時50分ごろ、八戸市民病院
 八戸市民病院(青森県八戸市)に暫定配備される青森県のドクターヘリが25日、運航を始めた。早速、消防から出動要請があり、大間町へ出発。陸路なら3時間はかかる距離を35分足らずで町内の指定着陸場に着き、重症患者を八戸市民病院に搬送。ヘリの高い機動性が証明された。

 ドクターヘリの導入は東北では福島県に次いで2例目。医師や看護師など6人乗りで、人工呼吸器や心電図といった医療機器を備えている。飛行中も医師が、ストレッチャーごと乗せた患者を診療できる。

 消防の要請を受けて出動し、運航時間は午前8時半から午後5時まで。県内には計98カ所のヘリ離着陸場があり、配備先の八戸市から青森市まで約20分、最も遠い深浦町まで約45分で行ける。

 初日は午前11時、下北消防本部(むつ市)から要請があり、国民健康保険大間病院の男性患者を搬送。男性は24日夕、木の伐採作業中、倒木に脚を挟まれ、25日朝に発見されたという。クラッシュ症候群と診断され、高度な治療が必要なため、医師と看護師が1人ずつヘリに乗り込み、出動した。

 ヘリで飛行中、男性は超音波や心電図検査のほか、低血糖症のため、ブドウ糖などを投与される処置を受けたという。午後零時50分すぎに八戸市民病院に到着し、救命救急センターに搬送された。

 ヘリ内で処置に当たった今明秀救命救急センター所長は「看護師とともに効率よく処置ができた。今後もヘリの機動性を生かして救える命を救いたい」と話した。

 ヘリは昨年9月、県立中央病院(青森市)の受け入れ態勢が整うまで市民病院に暫定配備されることが決まり、中日本航空(愛知県豊山町)に運航委託した。運航経費は年間1億7000万円。
2009年03月26日木曜日

青森

社会



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