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【名古屋あのね話】難攻不落の名峰・喫茶「マウンテン」に挑む (3/4ページ)
このニュースのトピックス:食・グルメ
いざ登攀開始。スパゲティを取り皿に取って1本かじってみる。
麺そのものが甘い。抹茶と砂糖を練り込んでいるようだ。その温かい麺にアンコと溶け出したクリームがからむ。味は和菓子のようなのに見た目はスパゲティ。同席の一同、しばし無言で咀嚼(そしゃく)する。
一皿目のすぐ後に登場した品もやはり山盛り。イカの輪切りが点在する焼きめしの上にシェルマカロニが振りかけられ、山を突き崩すと中からタマネギやナスの切れ端が顔を出す。すべてがイカスミで真っ黒に染まっているその上に紅生姜。意外にクセのない味で、一瞬、「これなら登頂(完食)できる」と野望が芽生える。
しかし明るい展望もつかの間。その後にやってきた「あつげしょう」の迫力に圧倒されてしまう。30センチほどの長さのフランスパンをトーストした上にまたしてもアンコと生クリームがてんこ盛り。土台のパンが見えない。もし(大)を頼んでいたらと思うとぞっとする。(中)でもテーブルに乗り切らないのに。
食べる。ひたすら食べる。だが、山は崩れない。「がんばれ」と掛け合う声が次第に小さくなって、3人ともうつむき加減になる。やたらとのどが渇いて、きつい炭酸の、青というより緑色の「コーラ」がやけにさわやかに感じられる。ここで手を休めたら全員、確実に遭難だ。