「WBC第2R1位決定戦、韓国2-6日本」(19日、サンディエゴ)
エースは落ち着き払っていた。相手が決まった。米国だ。「僕はどっちでもよかったですけどね」と素っ気なく語った松坂だが、心に期すものがあるのは間違いない。シーズン中は何度も顔を合わせるメジャー軍団と、今回は国を代表してガチンコ対決することになったのだから。
状態はいい。所属するレッドソックスによる球数制限や、WBCのルールなどで100%満足のいく調整はできていない。それでも徐々に調子を上げてきた。前回登板の15日キューバ戦で見せた6回無失点の快投が、それを証明している。
次の米国との準決勝が、今大会最後の登板になる可能性は高い。「打線はとにかくいい。それだけの選手をそろえてますからね」。2年間メジャーで投げ、相手の実力を知っているだけに警戒はするが、恐れはしない。昨年、レ軍で18勝3敗、防御率2・90。これまで培った経験は自信となっている。
モチベーションが上がる理由もある。この日の韓国戦で故障した村田とは昭和55年生まれの同級生。高校時代、甲子園でもしのぎを削った親友が志半ばで米国から去る心境は痛いほど分かる。「ここまでよく守ってくれたし、打ってくれた。残念です。シュウ(村田)の分まで頑張ると伝えました」。村田が日本に帰国しても連覇の朗報を、海を越えてプレゼントするつもりだ。
原監督は準決勝の先発について「作戦上不利になることは言いたくない」と現時点での公表は控えた。それでも「われわれのスタイルでアメリカと胸を突き合わせた勝負がしたい」とも。この言葉には松坂への全幅の信頼が寄せられているようだった。
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