◆WBC決勝トーナメント▽準決勝 日本−米国(現地時間22日、ロサンゼルス・ドジャースタジアム) 侍ジャパンの世界連覇へ向けた必勝ローテが20日、完成した。決勝での先発が濃厚だったダルビッシュ有投手(22)を「スーパーリリーフ」に回し、米国と対戦する22日の準決勝に「松坂−ダル」の黄金リレーを準備。23日の決勝には「岩隈−杉内」をスタンバイさせる豪華なツープラトン方式でV2へ突き進む。この日は、原監督が米国を“挑発”し、直接対決2日前に、両国が異例の予告先発を発表。4強激突を前に、いよいよ盛り上がってきた。
伝統あるドジャー・スタジアムのマウンドに、選ばれし侍たちの輪が自然とできた。日本代表の13投手全員が、傾斜や硬さを思い思いに確かめた。心は一つ。「あと1回でも負けたら終わりですから。最後までいられるように、みんなで力を合わせるしかない」普段はクールなダルビッシュが、言葉に力を込めた。
この男を中心に、事態は急きょ動いた。第2ラウンド(R)で19日の韓国戦(サンディエゴ)に勝ったことで、準決勝の日程は22日に決まった。同戦に負けていれば、21日となっていた。17日の韓国戦で85球を投げたダルビッシュが最短で登板できるのは、大会規則で中4日となる22日から。第2Rを1位通過したことで、22歳右腕の準決勝登板が可能となった。「負けたら、次はないわけですから」と、山田投手コーチは説明。ダルビッシュを温存したまま、大会を終えるわけにはいかない。首脳陣は連覇への「必勝ローテ」を固めた。
軸になるのは、2組の豪華リレーだ。当初は23日の決勝戦で先発させる方針だったダルビッシュを、登板が可能となった22日の準決勝で「第2先発」としてスタンバイさせる。先発の松坂は互いに手の内を知る米国との対戦について「やりやすい部分もあるし、やりにくい部分もあります。ほぼ、オールスターですね」と警戒。今大会唯一の全選手がメジャーという強豪は、力を加減して抑えられる相手ではない。100球の球数制限についても「与えられた場面で投げるだけ」と、全力で飛ばす覚悟だ。後をつなぐダルビッシュが、大きなカギを握るのは間違いない。
決勝には、「岩隈−杉内」の左右リレーを用意する。18日のキューバ戦でも6回無失点と快投した岩隈は、安定感抜群。最短でも中4日となる23日の決勝戦でしか登板できないだけに、最後の一戦を託す。本人も「そこに合わせるだけです」と迷いはない。杉内も同じキューバ戦で、岩隈の後をつないで7回から3イニングをパーフェクト。第2先発としての適性もすでに証明しており、「言われたところで投げるだけ」と気負いはない。
もちろん何が起こるか分からないだけに、流動的な部分はある。準決勝でダルビッシュが29球以下なら、決勝での連投も可能。場合によっては、杉内の連投もありえる。ただ、世界連覇へ向けた必勝ローテのシミュレーションは完了した。「ここまで来たら、どこででも。ブルペンも重要な役割ですから。ここにいられるだけでうれしいし、役割を果たすだけです」ダルビッシュが投手陣全員の気持ちを代弁した。残り2試合。侍たちが一丸となった先に、V2の栄光は待っている。
◆準決勝以降の球数制限 第1ラウンドの70球、第2Rの85球から100球まで増える。ただ、打者との対戦中に制限数に達した場合は、打者との対戦終了まで投げることが可能。第2Rまで直近の試合で50球以上投げた投手は、中4日の登板間隔が必要。また、準決勝が2日にわたるため、公平を期し、30球以上投げた場合は連投禁止。
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