医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

医師の転職ならCBネット |  医療介護CBニュース

政府(厚労省他)


後発品可の処方せん、薬局の7割超が先発品使用

ソーシャルブックマーク: Yahoo!ブックマークにに追加 はてなブックマークに追加 この記事をlivedoorにクリップ! この記事をdel.icio.usに登録する

 中央社会保険医療協議会の診療報酬改定結果検証部会は3月25日、「後発医薬品の使用状況調査」の結果(速報)を公表した。それによると、医師から後発医薬品への変更が可能な処方せんが出た場合でも、保険薬局の74.8%が後発医薬品への変更をしておらず、消極的な姿勢がうかがわれる。

【関連記事】
後発品、「希望するも未使用」が過半数―野村総研調査
後発品調剤率30%以上の保険薬局、初の8割
後発品「薦められた経験なし」が8割超
後発品、シェア30%達成可能−JGA
09年の後発品市場は3,379億円/富士経済調査

 同調査は、昨年4月の処方せん様式の変更による後発医薬品の使用状況と、使用に関する医療機関・医師、患者の意識の把握などを目的に、昨年11月から今年2月にかけて実施した。保険薬局944か所、診療所733施設、病院326施設、医師431人、患者1717人から回答を得た。

 調査によると、保険薬局では、昨年12月の1か月間に受け付けた処方せんのうち、1品目でも後発医薬品を調剤した処方せんの割合は44.0%だった。
 また、「後発医薬品への変更不可」欄への処方医の署名の有無を聞いたところ、65.6%の処方せんが「署名なし」で、後発医薬品への変更が可能だった。「署名なし」処方せんの変更状況を見ると、「後発医薬品に変更しなかった」が74.8%に上り、変更したのは6.1%にとどまった。
 1か月間に調剤したすべての医薬品に占める後発医薬品の割合については、「無回答」(35.9%)を除くと、「10%以上20%未満」が19.5%で最多。以下、「30%以上40%未満」(10.6%)、「20%以上30%未満」(10.4%)、「10%未満」(9.9%)と続いた。

 また、後発医薬品への変更可能な処方せんを持参した患者に対し、後発医薬品についての説明を行った割合を聞いたところ、「10%未満」が37.5%で最も多く、「10%以上〜30%未満」(20.1%)、「30%以上〜50%未満」(12.4%)が続いた。
 説明を行った後、後発医薬品の使用を希望しなかった患者については、「10%未満」が24.2%で最多。「30%以上50%未満」(16.8%)、「10%以上30%未満」(16.5%)と続いている。患者が希望しなかった理由については、「薬剤料など(患者自己負担額)の差額が小さいから」(37.5%)、「後発医薬品に対する不安がある」(35.6%)との回答が多かった。

 変更調剤を行い後発品を使った患者のうち、2回目以降は後発医薬品の使用を希望しなかった人の割合は、「10%未満」が81.0%に上った。また、2回目以降に使用を希望しなくなった理由については、「効果に疑問があったため」(23.1%)、「使用感が合わなかったため」(22.9%)の順で多かった。

 また、保険薬局に後発医薬品調剤に関する考え方を聞いたところ、「あまり積極的に取り組んでいない」が33.5%で最多。「薬効により調剤するようにしている」(31.3%)、「特にこだわりはない」(21.1%)が続き、「積極的に調剤するようにしている」は11.8%にとどまった。積極的に取り組まない理由としては、「品質に疑問があるため」「安定供給体制が不備であるため」「近隣医療機関が使用に消極的なため」などが挙がった。

■外来の後発品使用、「多くなった」「変わらない」が二分
 診療所、病院、医師に対する調査では、入院患者に対する後発医薬品の使用状況について、有床診療所の39.0%、病院の50.0%が「後発医薬品があるものの一部を使用」と回答し、いずれも最多。また、有床診療所では、「後発医薬品をほとんど使用していない」が27.1%で、「後発医薬品があるものは積極的に使用」(16.9%)を上回ったのに対し、病院では逆転し、それぞれ12.3%、32.8%だった。
 また、1年前と比較した外来診療での後発医薬品の処方の変化を聞いたところ、診療所、病院のいずれも、「変わらない」がそれぞれ48.8%、49.7%で、「多くなった」(それぞれ46.3%、47.1%)とほぼ二分された。

 また、外来診療における後発医薬品の処方に関する考え方を医師に聞いたところ、「特にこだわりはない」が71.1%で最も多く、「要望があっても基本的に処方しない」(14.7%)、「要望がなくても積極的に処方」(10.2%)が続いた。

■高齢患者ほど後発品の認知度低く
 後発医薬品の認知度についての患者への質問では、72.3%が「知っている」と回答した。これを年齢階級別に見ると、「30〜39歳」が86.3%で最も認知度が高かった。一方、最低は「75歳以上」の50.9%で、「70〜74歳」(60.4%)、「65〜69歳」(72.7%)の順で低かった。
 使用経験については、全体の50.2%が「ある」とし、「ない」(46.4%)とほぼ二分された。使用経験者に満足度を聞くと、「満足」(満足している、どちらかというと満足している)が81.4%と多数を占めた。また、窓口での薬代の負担感については「安くなった」が50.2%と半数を超えたが、「それほど変わらなかった」も31.2%に上った。

 後発医薬品に対する考え方では、「後発・先発医薬品にはこだわらない」が40.1%で最も多かった。「できれば後発医薬品を使いたい」が21.0%でこれに続いたが、「できれば先発医薬品を使いたい」も19.4%とほぼ変わらなかった。これを使用経験別にみると、「できれば後発医薬品を使いたい」との回答は「経験あり」が31.4%で、「経験なし」(11.2%)を大幅に上回った。


更新:2009/03/25 18:45   キャリアブレイン

この記事をスクラップブックに貼る


注目の情報

PR

ログイン-会員登録がお済みの方はこちら-

CBニュース会員登録メリット

気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。

一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を

プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?

キャリアブレインの転職支援サービスが選ばれる理由

【第54回】和田耕治さん(北里大医学部・衛生学) 医師や看護師への暴言・暴力、女性看護師へのセクハラやストーカー、コンビニ受診、治療費踏み倒し―。 数年前から、医療現場ではいわゆる「モンスター・ペイシェント(患者)」問題が深刻化し、医療従事者たちを疲弊させている。その中でも、特に目立つのが一部の患者 ...

記事全文を読む

 石原晋さんが島根県邑南町の公立邑智病院(一般病床98床)の院長に就任して1年半がたった。当初は5割を割り込んでいた病床利用率が7割台に回復するなど、改革の成果が表れ始めている。院長としてこれまで最も重視してきたのが、「助け合い、教え合い」の精神だ。石原さんは「特定の専門分野に固執しない、何でもでき ...

記事全文を読む

新機能のお知らせ

看護師の離職阻止に一役―24時間対応の院内保育所

現在、「潜在看護師」は全国で55万人に上ると言われており、離職防止の観点から、24時間対応の院内保育所のニーズが年々高まっています。

>>医療番組はこちら


会社概要 |  プライバシーポリシー |  著作権について |  メルマガ登録・解除 |  スタッフ募集 |  広告に関するお問い合わせ