ここから本文エリア 来月3日「移転作業大詰め」県立中部病院2009年03月25日
花巻市と北上市にある二つの県立病院を統合した県立中部病院が4月3日、北上市村崎野に開院する。開院を前に両病院からの引っ越し準備が大詰めを迎えている。ヤマ場は救急車14台などを動員して入院患者を移す今月29日。関係者は入念に作戦を練っている。 県立中部病院は434床、29科。緩和ケア病棟やPET(陽電子放射断層撮影装置)、約千台収容の駐車場がある。総事業費は165億円。 県立病院同士の統合により、新しい場所に病院が出来るのは県立病院の歴史の中で初めてだ。両病院の入院患者は現在、合わせて約350人。比較的軽い症状の患者はマイクロバスで、重い症状の患者は救急車でそれぞれピストン輸送される。救急車14台は、他の県立病院や花巻市と北上地区の消防本部、青森市の陸上自衛隊第9師団の協力を得た。 搬送時間は29日午前9時〜午後3時。引っ越しのために、両県立病院は3月27日〜4月2日までの1週間休診する。 新病院では、電子カルテの導入など新しい試みが実施される。統合前の2病院では紙のカルテを利用し、カルテは保管されている事務室から診察室まで手運びだった。それがコンピューターで一元管理され、医師らによる情報の共有、外来患者の待ち時間の短縮などが期待される。 電子カルテ導入などで外来患者や職員の動きも一変するため、2月から土、日を利用したリハーサルも続く。 県立北上病院の後藤勝也院長(65)は「未曽有のことなので混乱が起きないよう、念には念を入れて引っ越し準備をしている。医療機能を途絶えさせずに無事終わらせたい」と話している。
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