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きょうスタート 3病院で重症妊婦を必ず受け入れ

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2009年3月25日


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 去年、複数の病院に受け入れを断られた妊婦が死亡した問題を受けて、東京都は都内3つの病院を指定し、脳出血などリスクの高い妊婦を必ず受け入れるシステムをきょうから始めました。
 緊急に救命処置が必要な重症の妊婦を必ず受け入れる「スーパー総合周産期センター」に指定されたのは、昭和大病院、日赤医療センター、日大板橋病院の3つです。これまでは救急隊やかかりつけ医が地域の総合周産期センターに連絡し、そこで受け入れたり搬送先を探していました。しかし重症にもかかわらず相次いで受け入れを断られるケースがあったため、最終的な搬送先が見つかるまで時間が掛かるなどの問題がありました。
 今回新たに立ち上げたシステムでは、このうち特に重症な妊婦への迅速な対応を可能にします。救急隊やかかりつけ医からの連絡は消防の指令室に入り、非常に重傷=「スーパー母体救命」の事案であることが伝えられます。新しいシステムでは脳出血や呼吸不全などリスクの高い妊婦に対象を絞り、近くの救急医療機関に搬送を断られた場合、消防の指令室がスーパー総合周産期センターに連絡して3つの病院のいずれかが必ず受け入れることになります。今回のシステムについて日赤医療センターの杉本充弘産科部長は「搬送先を決めるまでに時間を掛けないシステムをつくろうということ。2つ目(の病院)には必ず決まるというのが今回のシステムの1番のポイント」と話します。
 このシステムは“命にかかわる状態”と判断された妊婦に対応するもので、うまく機能するためには症状が軽い妊婦を3病院以外で受け入れる努力をすることが重要で、「すべての症状の患者さんが3病院に来てしまうと十分な機能が果たせなくなってしまうので、それぞれの医療機関が今まで以上に役割を果たすことが三次救急の最後のとりでがうまく機能するための必要条件」だと日赤医療センターの杉本部長は話します。
 3つの病院は日替わりで受け入れ順位を決め、当番の病院ですでに重症な妊婦を受け入れている場合でも2番、3番の病院で対応し、確実に搬送できる体制を整えるということです。
技術協力 : TFMインタラクティブ
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