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[ 0斉藤守彦の特殊映像ラボラトリー ][ 第3回2008年特殊映像総決算! ] |
「特殊映像ラボラトリー」 第3回 2008年特殊映像総決算!(3) 斉藤守彦 特撮映画…とはいうものの、昨今ではCGやVFX技術の進歩によって、一般映画にも特撮技術やその応用が使われることも多く、果たして「特撮映画」とはどのような作品を指すのか、判然としづらい。故にここでは「特撮技術をセールスポイントにした作品」と定義したい。 なんといっても2008年の特撮映画は、東映の「仮面ライダー」シリーズの好稼働ぶりがエポックだ。2007年夏に公開された「劇場版仮面ライダー電王/俺、誕生!」が、興行収入13億円と、平成ライダー・シリーズの劇場版としては、2003年の「仮面ライダー555/パラダイス・ロスト」の15億円、2002年の「仮面ライダー龍騎/EPISODE FINAL」の14.3億円に次ぐ歴代3位の成績であったことから、「電王」の人気の高さは証明されていた。TVシリーズは2008年1月で終了したものの、さらなるビジネス・チャンスを狙った東映ビデオは、OVとして「仮面ライダー電王&キバ/クライマックス刑事」を、金田治監督で製作。当初この作品が、東映系の4月番組として公開されるはずだったが、東映の子会社T・ジョイが配給権を持つ「モンゴル」が、浅野忠信のオスカー・ノミネートという話題性から採用されてしまい、「仮面ライダー電王&キバ」は、中規模マーケットである東映αチェーンでの上映となった。 ●「さらば仮面ライダー電王」(2008年10月公開)=7.2億円(見込み) [明暗を分けた 「大決戦!超ウルトラ8兄弟」と「ギララの逆襲」] 「仮面ライダー」シリーズの宿命的ライバルといえば、「ウルトラマン」シリーズだが、予想を上回るヒットとなった2006年の「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」に続いて、昭和と平成のウルトラマン及び出演者たちが共演する「大決戦!超ウルトラ8兄弟」が、松竹の配給により9月13日から公開された。 ●「大決戦!超ウルトラ8兄弟」(2008年9月公開)=8.4億円 結果的にウルトラマン映画の興行収入新記録を樹立した「大決戦!超ウルトラ8兄弟」だが、これは前述した観客の保守性が大きく作用していると言っていい。ウルトラマンたちの共演はもとより、今回はV6長野博の出演が大きな話題となり、ファミリー層、ウルトラマンティガ・ファンの動員に拍車をかけた。なおウルトラマンダイナに変身するアスカ・シンを演じたつるの剛士は映画公開時、歌唱ユニット・羞恥心でブレイクし集客に貢献したが、撮影時にはまだ羞恥心は始動しておらず、思わぬサプライズとなった形だ。 単館及び小規模公開作品では、小中和哉監督が“和製「ある日どこかで」”を目指した、秀逸なファンタジー「東京少女」、アメリカ資本による「片腕マシンガール」「東京残酷警察」などが登場。また「小さき勇者たち」で特技監督を務めた金子功が監督した「THE MASKED GIRL/女子高生は改造人間」は、「『仮面ライダー』の第1話を、女子高生主演で、まんまリメイクした」(監督談)という、特撮オマージュにあふれた作品だ。 【2008年の邦画アニメ映画】(1) に戻る |
posted by animeanime at 2008.12.26 |
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