[ 0斉藤守彦の特殊映像ラボラトリー ][ 第2回河崎実監督ロング・インタヴュー ] |
「特殊映像ラボラトリー」 第2回 河崎実監督ロング・インタヴュー(1) 斉藤守彦 −河崎さん、「ギララの逆襲」やってる時、「オレは命賭けてるからね」って言ってたじゃないですか。 こともなげに言い放つ、この軽さ。筆者と河崎実監督とは、彼の「河崎実大全」でインタヴューをさせてもらった他、メールなどでやりとりをしたり、時に仲間うちの飲酒にお誘いする、そんな関係である。 ■最初は「東京タワー/時々たけしと、しょこたんと、ギララ」を目論んでいた(笑)!
−あ、シノブのアイデアだったんですか? −で、それはダメが出たんですか? −ずーっとギララやりたかったんですか? −それが去年の年末の段階ですか? −こういう話にしようってのは、最初から固まってたわけですか? −松竹サイドからの要望って、どんなことがあったんですか? −一切? −Y監督、ずっと映画を撮ってきたけど、唯一やってないジャンルが怪獣映画だと。それでプロデューサーに「シナリオ見せろ」って言ってきたらしいですね。 −なんだかなあ…。 −「命賭けてる」ってのは、名言だと思いましたよ。目がマジなんだもの(笑)。 これがプロデューサー・デヴューとなる、松竹の鈴木忍君とも、筆者は長いおつき合いがある。大御所Y監督の介入も、彼が巧みに交わしてくれたおかげで、制作は順調に進んだようだ。しかし、いざ興行ということになると、それはまた別問題があり…。 ■ベネチア映画祭は、 実相寺監督だって行けなかったんだから!! −最終的に興行収入はどうでした? −リバートップも出資されてますよね。 −それはエライと思いますよ。 −出資する立場としては…。 −色んなこと言われたって、やっちゃったモン勝ちなんですよ。 −ベネチア映画祭にも招待されたし。 −北野武、宮崎駿、そして河崎実(笑)。 −彼は怪獣映画とか好きなんですか? −なぜギララをコンペ部門に出さなかったんですかね?ポニョと戦ったら快挙ですよ。 −いかじゃないっ!! −シッチェス。あそこはファンタスティック映画祭の名門でしょ。 −これから河崎作品は、ベネチア出品がちらついてくる。 マルコ・ミューラーとは、ベネチア映画祭のプログラミング・ディレクターのこと。大変な日本映画好きとして知られる男である。筆者は10月に都内で行われた、彼の講演を聞きに行ったのだが、クロサワ、オヅなどの名作だけではなく、60年代のプログラム・ピクチャーなどにも愛情が深いことに驚いた。 [筆者の紹介] |
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「特殊映像ラボラトリー」 第2回 河崎実監督ロング・インタヴュー(2) 斉藤守彦 ■怪獣映画は、もうダメだね! 河崎 −「怪獣映画だから」ダメなんですかね? −「小さき勇者たち」みたいに、ファンタジーにしてもダメ? − 怪獣そのものに嫌悪感があるのかな? −でも最初、新宿ピカデリーで9月にレイト上映の予定だったのに、夏休み公開に早まり、しかも拡大上映になっちゃった(笑)。 ■三島由起夫の「美しい星」を、 おバカ映画として撮りたいね!! 「ギララの逆襲」は、興行的には不成功だったが、ベネチア映画祭に招待された。その功績を河崎監督は「こんなヤツ、他にいないでしょ?」と強調するが、果たして彼は、そのことを本当に納得しているのだろうか? −今、私の周辺でも特撮映画やりたいってプロデューサーや監督って多いんですよ。 −そのあたりは、プロデューサー的感覚。 −狭いのはダメですね。 −結局リバートップは事務所的に潤ったんですか? −「猫ラーメン大将」に続く次回作は? −よくやりますね。映画作りながら(笑)。 −河崎監督だって、撮ってるじゃないですか、たくさん。 −でも自由に撮ってるじゃないですか。それはみんな、うらやましいと思ってますよ。 −何が楽しいんですか、委員会にがんじがらめにされて。企画から何から決められて、そんな中で撮って。 −そういう話が来たらどうしますか?いわゆる製作委員会で、10億円の予算があって、「委員会の言う通りにやってください」って話が来たら。 −もし来たら? −怪獣映画だったらやりますか? −先日の読売新聞のインタヴューで、「三島由紀夫の『美しい星』を映画化したい」と言ってたでしょ? −それは、おバカ映画として(笑)? −三島原作なら、河崎監督で「潮騒」やって欲しい。かぶり物満載(笑)。 現実的に「美しい星」が河崎監督の手で映画化する可能性は、現在のところ決して高くはないだろう。しかし行動力抜群の彼のことだ。あれよあれよという間に、関係者を説得して、実現させてしまうかもしれない。そのバイタリティこそが、この男の真骨頂だ。 |
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