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WBC:クロスプレーの李容圭、銀メダル首に掛けず

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の表彰式での一こま。韓国の選手たちが銀メダルを受け取り、敗戦を惜しんでいる中、日本選手の非紳士的プレーで2度も負傷しそうになった李容圭(イ・ヨンギュ、起亜)=右から5人目=は唯一銀メダルを首に掛けなかった。

 試合後の表彰式で日本代表が金メダルを受け取り、松坂が大会最優秀選手(MVP)に選ばれる間、一塁線上に並んだ韓国代表のうち、一人だけ目立つ選手がいた。

 コーチ陣を含め、選手全員が直前に受け取った銀メダルを首に掛けていたが、李容圭だけはメダルを掛けていない状態だった。記者席からあまりに遠かったため、再び望遠レンズで確認してみたが、やはりその通りだった。

 それだけではない。日本代表に対するセレモニーが行われる間、韓国の選手たちは横をちらちら見ながら、悔しさ半分、うらやましさ半分という視線だった。しかし、李容圭だけはただ韓国のダッグアウトだけを見詰め、日本に対する祝福ムードからあえて目を背けようとしていた。お祭りムードの三塁線の日本選手には終始目もくれなかった。

 誰よりも悔しさが強かったからだろう。第2ラウンド1位決定戦で日本の先発・内海(巨人)が投じたストレートがヘルメットの後頭部に当たるアクシデントが起き、日本との決勝戦では実力で借りを返すつもりだった。しかし、決勝戦では先頭打者としてスタメンに名を連ねたが、4打数無安打1四球という結果に終わった。その上、6回には四球で出塁した後、盗塁を試み、ショート中島(西武)の左ひざに顔をぶつける一幕があった。

 李容圭はそんな経緯があったことから、準優勝の銀メダルを首に掛けることが納得できなかったのだろう。日本選手に目をやらなかったのも同じ理由のはずだ。

 日本との決勝戦は韓国の選手全員が精魂尽き果てるほど緊張した試合展開だった。毒気のこもったような李容圭の姿を見るにつけ、将来の韓日戦では彼の活躍に注目する必要があるように思われた。

6回裏2死、李容圭が盗塁を試みた際、日本のショート中島のひざに顔をぶつけ、倒れ込んで苦しんでいる。

ロサンゼルス=キム・ナムヒョン記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版
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