「痩せる果物」の効果に疑問、悪質業者も横行　米団体

ワシントン（ＣＮＮ）　米消費者団体の公益科学センター（ＣＳＰＩ）は２３日、ダイエット効果があるとして米国で人気が高まっているブラジル産の果実「アサイー」について、宣伝されているような効果は実証されていないと指摘した。

アサイーは昨年、人気テレビ番組で取り上げられたことをきっかけに、ダイエット製品として宣伝されるようになった。ジュース、粉末、カプセルなどさまざまな製品が売り出され、ジュース１本で４０ドル（約３９００円）もする商品もある。

宣伝では酸化防止、抗炎症、抗菌などの効果があるとされ、健康に欠かせない脂肪酸のオメガ３とオメガ６を含んでいるとうたわれてきた。しかしＣＳＰＩによれば、アサイーで痩せる、性的欲求が増すといった宣伝されているような効果は実証されていないという。

栄養学の専門家で複数の著書があるジョニー・バウデン氏も、ほかのベリー種の果物と同じでアサイーも栄養価は高いが、「体重増加を防いで顔のシワをなくす」といった効果を裏付ける証拠は一切ないと指摘する。

ＣＳＰＩによれば、アサイーから作ったダイエット薬の無料サンプル提供をうたう業者は、有名人の名をかたった偽コメントやブログを作成し、消費者をだましているという。

無料サンプルを申し込むと送料と手数料の名目でクレジットカード情報の提供を求められ、その直後から毎月８０−９０ドルが引き落とされるようになる。支払いを止めようとしてトラブルに陥っている消費者が大量にいるという。

コネティカット州のブルメンタール司法長官は、販売業者に対する消費者からの苦情が多数寄せられていることを明らかにした。州が販売業者を提訴する可能性もあるとしている。