2005年10月06日(木曜日)
【HR】 象と技
秋晴れ。清々しい。欲をいえば昼はもう少し涼しくても良い。夜は今くらいがベスト。大正の頃は今より3度以上寒かったわけだから、温暖化の影響は小さいような大きいような。親父は大正生まれだから、「昔は寒かった?」と尋ねると、「よく覚えとらん」と答える。
この頃、モビリオをよく運転する。親父が乗っていた(というか、親父のために僕が買った)のだけれど、もう年寄りで危ないから、免許の更新を断念し乗らないことになったので、代わりに乗ってあげている。大きいし、ドアが沢山あって便利は便利。ナビもついているから、いつも走る町の地名とかもわかる。この塀の向こうは何があるのだろう、と抱いていた疑問も解消。しかし、どうも動きが緩慢で、象に乗っているような気持ちになる。サーカスに出ているみたいな感じ。町なかを、大きなRVが走っているが、あれも象に乗っているように見える。機敏に走る車種のはずなのに緩慢な車は、運転手が象なのだろう(象が人間に乗っている可能性もある)。
【社会】 ガソリンの値段
ガソリンが最近値上がりして話題になっている。しかし、僕が大学生のときは、もっと高かった。一番高いときは1リットル150円くらいだったと記憶している(調べていないのであやふや)。だから、もう20年以上、「ガソリンって安いなあ、まだまだ沢山あるんだなあ」と思い続けてきた。子供の頃には、「君たちが大きくなる頃には、石油は枯渇する」と威されていた。耳にタコができるほどでもないし、耳が痛くなるほどでもないが、それなりに頻繁に聞いた。
このまま値上がりして、150円くらいになったとしても、でも、まだ安いと思う。何故かというと、自動車の燃費がずいぶん改善されたからだ。同じ1リットルでも長く走れるようになっている。つまり、実質的にガソリンの能力が上がったことに等しいから、同じ値段でも安い、と判断できる。
このように、技術の進歩は、原料の性能を引き上げることが可能であり、また「知る」ことによって、ものの価値が上がったり、下がったりする。「情報」というものが価値を持ち始め、値段がつくようになるのもこの道理。
お弁当も安くなっている。それ以上に美味しくなっている。そういう意味では、昔の(特に売られている)食べものは、もの凄く高かった、ということになる。技術が進歩することで、豊かになり、値段が下がる、というわけ。
僕の人生は今のところ、前半はインフレで、後半はデフレだ。