第二回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は日本が韓国を破って二連覇を果たした。
韓国野球は本当に強くなった。投手はもともと百五十キロ前後を投げ込む本格派がそろっていたが、打者もパワーだけでなく、チャンスに1点を取る確実さと粘りを身につけた。
両国の本格的な対抗戦は一九九一年の日韓プロ野球スーパーゲーム(本社主催)が最初だった。あのとき韓国は肝心なところで送球ミスが出たり、チャンスに強引に引っ張って併殺打を喫したり、「まだ日本のファームのレベル」と感じたものだ。
六回対戦し、日本が“無理をしなかった”ところもあり、結果は日本の4勝2敗。韓国チームが初勝利を挙げたとき、選手たちの顔は緊張でこわばり笑顔もなかったことを思い出す。
その後、韓国野球は日本に追いつけ、追い越せという「克日」感情を抱いて力を蓄えたと思う。竹島(韓国名・独島)領有や歴史問題で噴き出す「反日」感情とは違う、日本の実力を認めて目標にし、その差を「克服する」考えだ。
いまや韓国人選手が日本のプロ野球チームで活躍し、韓国の球団は日本人コーチを招く時代になった。今回のWBCは、文句なしに互角の戦いだった。
スポーツでの「克日」ならこちらも歓迎する。競い合い、技術を高め、良きライバルになりたい。
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