2009年3月11日

大樹保育園で退職強要~いきなり正職から派遣に

退職強要に負けない!  納得のいかないことには合意しません!  

★十勝南部の大樹町、大樹でふたつの保育園を経営する大樹保育園では今年4月から給食部門を切り離し、そこで働く正職員ふたりを解雇し、派遣会社に職員丸ごと「委託」することを理事会は決定し、昨年12月頃から対象者を呼びつけ、園長主導で「退職強要」が行われてきました。ふたりの職員はこの過程でひとりはうつ病、ひとりもそれに近い精神状態で相談がありました。

「委託」と「退職」を迫る園長
  
★10日、帯労連と地域労組は園に申し入れ、「病人も出ていることであり、計画は一旦白紙に戻し、職員や父母との合意を経て、町にもきちんと説明してすすめるべき」であると主張していますが、園長はあくまで「委託」することに執着し、職員を派遣会社に「採用」してもらうから待遇は変わらないと、一貫した姿勢です。

★全国でまきおきている身勝手な「派遣切り」。この園では正規から非正規に労働者を紙切れ一枚でおきかえることに何のためらいもありません。町も運営費を1億円以上(年間)も投入しているにもかかわらず「民間の経営方針にはあれこれいえない。ゴタゴタないように委託しなさい」(担当課長)といっているのです。1億円も税金を投入しているのに「何も言えない」とはあきれます。

★10日、帯広地域労組にこの職員(36才女性)は加盟しました。理事長、園長、事務長、監査役のそろっているところで「組合員宣言」をしました。組合員の身分、労働条件について事前に協議し合意して進むことになります。

2009年3月3日

人間らしく働き続けるために~  人間として扱われ、人間らしく働き、人間らしく生きる  弁護士・伊藤誠一氏の春闘討論集会


   「人間と労働」についての伊藤誠一弁護士の包容力


*伊藤誠一弁護士は音更過労自死裁判の原告代理人として2月の釧路地裁帯広支部での全面勝訴に尽力されました。労働基準監督署への申請から裁判に至るまで徹底した資料集めと証言、分析などで、今回のスピード解決となった敏腕弁護士であるということは理解できます。今回の講演は、人間の根源的な「人間と労働」についての考察。昨年7月、国保裁判支援共闘で講演された北野弘久日本大学法学部名誉教授は裁判について、裁判に行くのは、「人生の縮図」だと言われました。伊藤弁護士は、労災や過労死などの厳しい労働裁判から「人の生と死」を学び、「人間らしい労働のあり方」とは何か、新自由主義を背景にした労働市場の規制緩和の結末ともいえる毎年3万人以上の自殺者などリアルな実例を紹介しながらの講演でした。前半は暗い悲しいお話しでしたが、後半は権利を武器にみんなで立ち向かっていこうというメッセージをいただきました。「ロマンチストで厳格、すばらしい人柄に感服」(65才男)の感想がすべてを語っています。

   人間らしく働き続けるために5つのキーワード

1.国民は誰でもが「個人として尊重される」(憲法13条)-人間として尊重される。(人間らしく生きさせろ!という叫び)

2.現代のあらゆる労働はそれが過重であるとき心身を破壊する危険を内在させている。(精神障害)

3.「「労働時間の厳正な管理」 今日の労働の特徴は長時間労働をベースにした高い要求度、低い支援度、狭い裁量度の労働である。それが肉体的負荷のみならず心理的負荷も高めている。~どこまでがんばればいいのかはっきりさせる。

4.業務の内容、指揮命令で労働者にさせることのできる仕事の範囲を明確にすること。(まじめで力のある労働者に負担が集中するというシステムは明らかにおかしい)

5.労働契約法にもとづく使用者の安全配慮義務を果たせ。(ケガをさせるな、病気にさせてはならない、死なせてはいけない。使用者はそのための手当を十分尽くせ「派遣」の使用者は登録先である派遣元の会社がこの義務を負う)

  泣き寝入りはしない、不正義に黙っていない!
      ひとりで悩むな! おそれるな! けっして孤立をしない! 
  
◇社会的存在としての自らを科学的に理解する。「子どもの権利条約」、「両性の平等」、「労働契約」に基づく権利など現代の社会経済関係にあって伸張すべき要素は何か、克服すべき課題はどこにあるかを見据える

人間らしさとは何か!について想像力を駆使して対峙させよう!
  ★多くの人と力を合わせ、広く集まって向かっていこう★

現代の貧困(過労死や過労自死はその典型ではないか)と格差の特徴は、社会経済上の(その反映としての文化的なものも含む)構造的な行き詰まりの結果ではないか。これに立ち向かうためには「労働」分野の知恵や力だけでは足りない。「生活保護や「社会保障」の単一領域にとどまる話でもない。わたしたちに与えられたあらゆる権利、制度を駆使して臨むことが求められているし、実際その時に解決の途が開かれる。 

3月1日 帯広市とかちプラザにて
   ~2009年春闘学習討論集会のために~レジュメより~


2009年2月22日

雪印大樹、労働委員会で和解にむかって  ~2/16

 
  組合結成から2年、会社、ようやく組合事務所の設置を約束

□昨年2月の北海道労働委員会への提訴から1年、組合結成からまる2年の月日が流れています。会社は2月3日の団体交渉で組合事務所を5月から使えるようにすると、文書で回答してきました。また、組合掲示板についても、今までより倍以上の大きさを確保し〈現在使用〉、正社員との差別がある健康診断についても会社は柔軟な姿勢を示してきました。

□2月16日に開かれた北海道労働委員会での8回目の調査では、3日の団交でのやりとりをふまえ、既に実施されている人事評価制度について、会社は相対評価だと一貫して主張していますが、団交ではあいまいな回答であり、むしろ絶対評価ととれるような発言でした。評価の内容もBについては遅刻や無断欠勤などが対象だというものの、SやA評価については特別な基準はなく、「がんばれば報われる」といった精神的・観念的なものを主張していました。それについて 組合は、相対なら人数の公表をといっていますが、会社は「公表しない」の一点張りです。会社の公表しない理由も微妙に変わってきています。 評価制度についての「見直し」は避けられない争点です。

□労働委員会では公益委員が「和解にむけた芽がでてきているので、双方の代理人の話し合い・協議をふまえた上ですすめていきましょう」と、次回3月31日には結審する予定です。

2009年2月8日

音更農協・過労自死裁判、原告全面勝利判決  2月2日 

 ★釧路地裁帯広支部(岡山忠広裁判長)、被告・音更農協に対し、
    1億円超の損害賠償支払いを命じる判決!

★音更農協の元職員(当時33歳)が職場で自殺したのは「過重労働による業務災害」であり、農協の「安全配慮義務違反の過失」が認められ、「不法行為責任を負う」として音更農協に対して損害賠償支払いを命じる判決が下されました。原告代理人の伊藤誠一弁護士は「原告の主張を取り入れ、認められた良識的でわかりやすい判決」であると評価しています。
 
被告・音更農協 即日控訴 

★音更農協は判決日当日、法廷には代理人など出席せず、判決内容を十分検討したとは考えにくい状況下で、即日控訴しました。すでに05年5月の自死から06年12月には帯広労働基準監督署長により「労災認定」されており、今回の判決をふまえ、農協がやるべきことは、判決を潔く受け止め、遺族に謝罪し、職場での再発防止に取り組むことであり、このことこそが、残された遺族の願いに応えることであり、志半ばで命を絶たざるをえなかった故人への責任を果たすことです。
★農協は、明確な勝訴の見通しもないままま、争い続けて財政負担を重ねる事は農家組合員に対する役員の経営責任にもつながりかねません。

 音更農協は潔く「控訴取り下げ」の決断を

★農業王国・十勝の代表的な音更農協、農協の元職員が業務に起因することで自殺に追い込まれた事実が労働基準監督署や裁判所で断罪された事を重く受け止め、控訴を取り下げ、職場での職員のメンタルヘルス対策を含む再発防止、遺族への謝罪を一日も早くおこなうことです。

わたしたちは 音更農協への「控訴の取り下げ」を求めるFAX要請を行っています。

           
    音更農協   ファックス番号  0155-42-2727

〈取り下げ要請 参考例〉
 音更町農業協同組合 代表者代表理事  大塚 宏明 様

  2月2日の判決を重く受け止め、控訴を取り下げ、遺族への謝罪と再発防止に全力をあげよ! 

2009年1月28日

「500年間隔地震」というより350年から400年間隔  「いつ大津波(大地震)が起きてもおかしくない時期…」




 
●1月24日(土)、「十勝地方の気象・防災情報の充実を求める連絡会」主催で、北大大学院、平川一臣教授の「備えよう!500年間隔地震と地域防災体制」と題する講演会が開かれ、約100人が参加しました。一般市民を対象としたこのような講演会は初めてということで、地元新聞で紹介されると、事務局には数件の問い合わせがあり、関心の高さが表れていました。当日の参加者の感想は「平川先生は、防災体制拡充でがんばっておられて感心しました」。「先生のすごいところは幅広くフィールドワークされているところで、説得力があります。再度、お話をお聞きしたい」など大好評でした。以下は講演の要点とコメントです。

●日本は地震の巣の上にあるといってもいいほど震源地に沿って位置している。それは日本の東側、北海道では南東側に位置する海溝と平行しているからである。十勝沖、釧路沖、根室沖でよく地震の起きるところが、千島海溝の北海道側一帯である。
この地域で大きな地殻変動があれば、地震はもちろん津波も発生する。

●先生が調査したところによると、この太平洋岸の地層の中に過去の大きな津波の痕跡が10数回残されており、その年代もかなり詳しく推定できる。そして、大津波の間隔が350年から400年長くて500年くらいというものである。どちらかというと350年から400年のほうが多いくらいである。いちばん最近のもので17世紀(およそ400年前)であるから、もういつ大津波(大地震)が起こってもおかしくない時期になっている。この大地震は十勝沖・釧路沖・根室沖のすべてが同時に動くような規模であると考えられる。

●この事実を知った先生は、関係地方自治体に連絡をして、説明会・学習会等を開きたいという訴えをしたが、どこの自治体からも1件の応答もなかったそうである。十勝では十勝川河口付近、特に大津海岸は高いところがなく、10㍍~20㍍という大津波がやってきたら西側の高台までは距離があるため、逃げ遅れることは間違いない状態。

●中央防災会議ではそのようなところでは津波から逃れるためのビル建築を推奨している。このように地方自治体はこの事実をどのように受け止めているのか。全く関心を示さない。住民の命と財産を守る気持ちがあるのか、はなはだ疑問である。  (主催者も今回の講演案内を1市18町村と3つの漁協に送りました)
 
●中学生をリーダーとする防災体制作りや小学生に現地の地層を見せた例などもとても大事なことだ。小学生に地域の建物などを実際に見て防災マップを作る活動も注目だ。

●科学技術コミニュケーター=専門家の知識を市民に伝え、市民の要望を専門家に伝える。そのための場所を探したり日程を作ったりする実践者のことをいうが、その育成を北大ではめざしている。また、是非、科学技術コミニュケーターになってほしいと訴えた。
●この500年間隔地震が起こり大津波が発生するとスマトラ地震と同じような、あるいはもっと悲惨なことが起こるかも知れない。2003年十勝沖地震のときでさえ道路は寸断、破壊され、車の通行が極めて困難になった。したがって車で高い所まで移動しようと思っても無理な話であろう。各自治体ではこのような事実をしっかり受け止め、できるところから早急に対策をしなければ、大きな犠牲が出る可能性は極めて大きいと思うのである。

●今回の講演は一般市民対象としては最初であった。ということはわたしたちの連絡会が平川先生が強調されておられた「科学技術コミニュケーター」の役割を果たしたことにはなりますまいか。(H記)

2009年1月19日

結成20周年、09帯労連旗びらき 元気で明るく いつでも働く者の味方でがんばります!


  
組合員はじめ、来賓、元役員など60名出席して盛大に
  
    「派遣村」募金を訴え、47,000円集まる。早速、送金しました。


●20周年のけじめの年、いままでもこれからも労働者の利益のために奮闘することを誓い合いました。年末年始のニュースは「年越し派遣村」の報道一色といっても大げさではありませんでした。帯労連も年末にかけて地域労組の組合員の解雇問題で年を越しました。年があけても連日、労働相談があり、休日、役員の携帯電話もなる昨今です。
●帯労連は地域センターとして結成されましたが、現在取り組んでいる問題は北海道労働委員会では非正規労働者問題、帯広地裁では賃金未払いと「名ばかり店長」訴訟、最高裁には音更国保裁判など、全国に先駆けたたたかいに挑んでいます。
 
●15日、開かれた旗びらきでは多くの来賓の方々、裁判の原告などから受けた言葉は「帯労連があってよかった」という一言でした。

●政治・経済情勢は特に迷走している自公政治にあって、労働組合の真価が発揮される年となるでしょう。これからもご支援・ご協力をお願いいたします。

2009年1月10日

雪印大樹、不当労働行為事件、調査(1/7)、会社側、打開の意志なし

 日本列島、大企業中心として「派遣ぎり」など、非正規労働者の契約解除、雇い止めなど横行しています。国会でも連日この問題が取り上げられ、年末の「派遣村」が発信する諸問題は現時点での最優先課題になっています。帯広でも「バナソニック電工帯広」の30人ほどの「派遣ぎり」が明らかになりました。契約途中の「解雇」もありうるとの報道もあります。帯労連はこの問題で会社への申し入れ、要請を申し出ましたが、会社は「報道されている通りでお断りします」との姿勢です。

  雪印、「ゼロ回答が回答」の姿勢そのまま! 

 7日、北海道労働委員会で行われた第7回調査は午後2時から6時過ぎまで行いましたが、しかるべく成果もなく、引き続き団体交渉を次回の調査日(2/16)まで行うことなど決め、物別れに終わりました。労働組合側は6項目の要求と組合事務所問題を弾力的に提案しましたが、会社は「ゼロ回答が回答」の一貫した姿勢は全く変化なし。ここでも大企業の身勝手・社会的責任が問われる不誠実な態度です。

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