全国規模で自殺対策に取り組むNPO「ライフリンク」(東京都千代田区)は18日、47都道府県と17政令指定都市に対して実施した自殺対策状況調査の評価結果を公表した。福井県の取り組みは100点満点中36点にとどまり、総合順位も64自治体中49位と下位にランクされた。
調査は08年9月と今月の2回にわたり、自治体の自殺対策を所管する部署を対象に実施し、同NPOが回答結果を分析。自殺対策の組織・推進体制整備(12点)▽総合的な対策の有無(12点)▽自殺率の増減と予算措置の増減(2点)--など14項目にそれぞれ評価基準を設け、100点満点で評価した。
福井県の場合、自殺対策の組織・推進体制整備では、県が民間有識者らでつくる防止対策協議会を設置していることから8点を獲得。一方、総合的な対策の有無では、自殺率低下への具体的な数値目標がなく、首長の所信表明演説に自殺問題がないなどがマイナス評価となり0点だった。
全国順位では長崎県が83点を獲得し1位。石川県も73点で4位だった。ライフリンクの清水康之代表は「民間団体の活動が活発で、なおかつ行政がそれを支援している県が上位にランクする傾向にある。自殺対策の底上げを図るには民間団体の育成と支援が不可欠だ」と話している。【大久保陽一】
毎日新聞 2009年3月19日 地方版