県と県内市町の首長や医療機関の代表者らでつくる「公立病院等の今後のあり方を考える会」(会長・十時忠秀県医療統括官)は24日、医師不足や赤字経営に悩む自治体病院について、県立病院好生館(こうせいかん)(佐賀市)を中核施設として、全県一体的な再編を進めるとの提言をまとめた。病院ごとに取り組んできた大学病院との連携も一体的に進め、医師派遣の偏在などを解消し、安定的な医療体制構築を目指す。
全県的再編では、民間病院が敬遠しがちな不採算診療を担っている自治体病院の特性を考慮しながら、運営や医師確保での長期展望を示した。
具体的には、全県一体的な研修プログラムや若手医師への指導体制を構築し、医師の安定確保や各地域への適正配置を図る。また、薬剤・医療器材の一括購入で経費節減を図るため、関係自治体が応分の負担金を出し合う運用にする、とした。
提言では、全県的再編と併せ、医療圏ごとの再編も提示。佐賀市などの中部▽唐津市などの北部▽伊万里市などの西部▽武雄市などの南部▽鳥栖市などの東部‐の5医療圏ごとに病院同士の機能分担や事業形態の見直しを促している。
提言は、この日の県医療審議会に報告。早ければ月内にも、県内20市町に示すという。
=2009/03/25付 西日本新聞朝刊=