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【社会】

学校側「7人いじめ」 皇学館高1自殺

2009年3月15日 朝刊

保護者への説明会後、校内に掲示したポスターを持って記者会見する大島謙校長(左)=14日午後10時25分、三重県伊勢市の皇学館高で

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 三重県伊勢市の私立皇学館高校1年の男子生徒(16)=同市=がいじめを受けたとの遺書を残し自殺した問題で、同校は14日、1、2年生の保護者を対象に臨時保護者説明会を開き、これまでの調査結果について「暴言や暴力に当たる行為があり、7人がいじめをした」などとして初めていじめの具体的な内容を明らかにし、保護者らに謝罪した。

 説明会には1、2年生約780人の保護者のうち約310人が出席。会は午後5時半から始まり、約4時間にも及んだ。

 説明会後に会見した大島謙校長らによると、学校側は調査の中間結果として、生徒たちへの聞き取りをしたところ、暴言や暴力に当たるとみられる行為があったと説明。調査では、いじめをしたとして同じクラスの7人が浮かび上がり、このうち、男女5人が遺書にあった名前だった。

 暴言については、生徒に対し下品なあだ名が3学期から使われるようになり、初めは数人だったがクラスに広まった。暴力は、自殺した生徒が、ある生徒に軽いビンタをしたとき、強いパンチを返された。消しゴムのかすも投げつけられた。

 ただ、この5人はいじめをしていたとの認識はないという。学校はこれらの保護者に遺書に名前が記されていたことを伝えた。5人の生徒、保護者と遺族が面会する場をつくる考えだ。

 一方、出席した保護者によると、学校側は自殺した男子生徒のクラスへの学校の調査で「大半の生徒が、自殺した男子生徒へのいじめがあったことを認識していた」と説明。また、説明会の質疑応答では、校長が自殺が分かった当日に、遺族に説明に行かなかったことを複数の保護者が批判したという。

 同校は今月3日に自殺を把握した後、1、2年の全生徒を対象に聞き取りをするなど、いじめの調査をしてきた。9日には、遺族に調査の途中経過を報告し「いじめはあった」と謝罪していた。

 生徒が残した遺書には「暴言、暴力、嫌がらせが浴びせられ、精神的に嫌になった」などと書かれ、いじめにかかわったとする同級生の男女7人の名前が挙げられていた。

 

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