さいたま市立中学3年の女子生徒(当時14歳)がネットいじめを受けた3カ月後に自殺した問題で、市教委と校長が生徒の母親(43)にいじめの再調査結果を報告した。母親によると、市教委は12日に「いじめは確認できなかった」と回答したという。母親は「うやむやにされ、納得できない」と訴えている。
市教委は今月9日に同級生らにアンケートを行った。母親によると、市教委は回答の一部をまとめた資料を母親に見せた。その中に「雰囲気から、いじめられていると思っていた」「仲間外れにされているのを見た」などの趣旨の記述があったが、市教委は「憶測が含まれた表現だ」と、いじめであることを否定したという。
母親は「調査は学校関係者以外の専門知識を持った人でやるべきだった」と有効性を疑問視している。
市教委は23日に女子生徒が通っていた中学で保護者説明会を予定しており、「説明会前は取材に答えられない」としている。
女子生徒は昨年7月、携帯電話の自己紹介サイトに「うまくすれば不登校になる」などと書き込まれた。担任は同級生の女子生徒2人に謝罪させたが、自殺後、2人のうち1人の名前と「復讐(ふくしゅう)します」などと書かれた遺書が見つかった。【稲田佳代】
毎日新聞 2009年3月19日 地方版