第４４回総理大臣杯

０９年ＳＧ第１弾「サクラサク」は誰だ！

　０９年のＳＧシリーズ第１弾、第４４回総理大臣杯が、１７日に開幕する。舞台は日本一の静水面、東京・是政の多摩川競艇場だ。東都のエース浜野谷憲吾、王者・松井繁、銀河系軍団の井口佳典、躍進兵庫の吉川元浩ら競艇界のビッグスターが集結する。東京の桜開花は２５日の予報だが、優勝戦の２２日、ひと足早く「サクラサク」を手にするのは誰？

浜野谷憲吾、松井繁が中心も大激戦

　優勝の筆頭候補は地元のエース浜野谷憲吾だ。ＳＧタイトル４個と実力は折り紙付き。特に、ターンテクニックはトップクラスだ。「地区選が飯山泰、平和島周年は中野次郎、次（総理杯）はおれかな」。今年の関東Ｇ１での東京支部選手優勝の流れを、ちゃっかり自分のものにしようとしている。とにかくプラス思考なのだ。Ｇ１よりランクが上のＳＧで、浜野谷があっさり勝っても何ら不思議はない。是政ファンもそれを望んでいる。蛇足だが、ＪＲＡの浜野谷憲尚騎手は実兄。競艇レーサー・憲吾の熱心なファンとして知られている。

　王者・松井繁は総理杯連覇が懸かる。レースでの集中度、ペラ調整、エンジン整備への取り組み方、そして、Ｖシナリオ通りに優勝する実現力は抜群で、他の追随を許さない。ＳＧクラスの選手が「松井さんはすごい」と言うのもうなずける。ＳＧ前のステップは順調だ。２月の大村ＭＢ大賞でＶ。弾みをつけてＳＧに臨むスタイルは、今年もきっちり守られている。盤石な強さで今回も王者として君臨する。

　昨年の賞金王決定戦（１億円バトル）を初制覇した井口佳典は、その余韻にひたることなく０９年を始動した。「賞金王は過去のこと。今年の目標に向かって進むだけ」。賞金王を勝ったものの、賞金キングにはなれなかった。これが０８年の忘れ物。年末、住之江にそれを取りにいく。これが０９年のノルマだ。そのためにも総理杯からエンジン全開で戦う。井口は８５期のエリート軍団・銀河系の兄貴分。その銀河系軍団からは井口のほかに、湯川浩司、田村隆信、丸岡正典、そして、女子の田口節子が参戦。一大勢力を形成する。

　吉川元浩と魚谷智之の兵庫コンビもＶ圏内に入る。吉川は阪神淡路大震災で被災したが、それを克服した不屈の男。剛腕のレースから今は柔軟な走りを習得し、文句なしのトップスターだ。魚谷はストイックなレースで定評がある。単なる競艇選手ではなく、アスリートを目指している。

　浜野谷以外の地元組では飯山泰がいち押しだ。すし屋さんでもらったストーンの効果で絶好調。浜野谷同様にフライング持ちだが、走り慣れた水面だけに大丈夫か。是政を主戦場にする長岡茂一、多摩川での実績十分な三角哲男にも期待が集まる。

　世代交代を迫る新興勢力の山口剛、森永淳、松下一也の走りにも注目したい。