大阪大学病院(大阪府吹田市)で1月、国内初の心肺同時移植を受けた大阪府の30代の男性患者が24日退院した。同病院で記者会見した男性は「想像以上に元気になっている。もうすぐ桜が咲く。桜の木の下で思い切り息を吸って走りたい」と喜びを語った。
この日、会見に臨んだ男性はジャケット姿。白いマスクを付け、しっかりした足取りで会場に入った。手術から66日。男性は院内でリハビリなどを続けていた。
男性は臓器提供者とその家族らへの感謝の言葉を述べ、「前はいつもベッドの上だったが、今は歩いたり階段を上ったりできる。大きく息を吸うことができるのが一番うれしい」と話した。
同病院によると、移植した心臓と肺の機能は良好で、拒絶反応はないという。
男性は先天的な心臓病が原因で肺にも影響が出る「アイゼンメンジャー症候群」と診断され、心臓と肺の両方の移植が必要と03年8月に日本臓器移植ネットワークに登録していた。長期間ベッドで過ごす状態だったという。