(cache) 救急ヘリ相互応援の協定　県が徳島、大阪と

救急ヘリ相互応援の協定　県が徳島、大阪と

　和歌山県と県立医科大学は23日、徳島県と救急医療用ヘリコプターを相互応援する協定を結んだ。ヘリ不在時や傷病者が多い場合の救命率向上が目的。県によると全国初の試みで、仁坂吉伸知事は「互いに融通し合う動きが広まり、助かる命がもっと増えるきっかけになれば」と期待を込めた。和歌山県は大阪府とも同日付で協定を結んだ。

　和歌山県は２００３年１月からドクターヘリを運用。08年度は２月末までに３５０件出動した。緊急時は防災ヘリも活用し、救命率向上に成果を挙げている。

　しかし、利用が増える一方、ヘリ不在時の出動要請も年間20件程度あり、安全網の強化が課題だった。昨年８月から防災ヘリにドクターヘリ機能を持たせて運航を開始した徳島県も同様の悩みを抱えており、両県は昨夏から提携を模索していた。

　和歌山県庁での調印式で、飯泉嘉門徳島県知事は「両県は海を挟んでいるが、ヘリには障害にならない。安全、安心の度合いが高まった」と感謝。和歌山県立医大の南條輝志男理事長は「一足早くドクターヘリを運用している経験を近隣府県と共有できれば。（搬送受け入れ先の一つ）徳島大学（病院）とも協力体制を取りたい」と話した。

　相互応援は徳島県とは24日から、大阪府とは４月１日から実施する。費用は当面無料。和歌山県は三重県、奈良県からの応援要請にも応えているが、こちらは派遣するのみで、費用を徴収している。

【救急医療用ヘリの相互応援協定を結んだ（左から）飯泉徳島県知事、仁坂知事、南條県立医大理事長＝23日、県庁で】

(2009年03月24日更新)