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チャン・ジャヨン文書:堂々巡りの警察捜査(下)

リストの存在もメディアが報じた後になぞるだけ

 一方、現在日本に滞在しているチャンさんの所属事務所のキム社長(40)は、チャンさんが自殺した直後から現在に至るまで、ほとんどのメディアの電話取材に応じている。だが警察だけは、「キム社長と一度も通話できていない」と主張している。警察の関係者は「キム社長が(メディアの電話取材には応じながら)警察からの電話には出ないため、どこにいるのかも、帰国の予定も把握できていない」と語った。

 警察は国際刑事警察機構(インターポール)を通じてキム社長を指名手配し、また日本政府に対し、犯罪人引渡し条約に基づくキム社長の引渡しを要請した。だが、日本の警察の積極的な協力がなければ、近日中にキム社長を強制送還するのは容易ではない。

 また、チャンさんの元マネージャーのユ・ジャンホ氏(29)に対する捜査も進展していない。警察はユ氏に対して出国禁止を命じたのに続き、21日には出頭を要請したが、ユ氏は23日午前になって「25日に出頭する」と連絡してきた。こんなことでは、事件のカギを握る人物に証拠隠滅や逃走の機会を与えた、という批判を免れない「のろまな捜査」としか言えない。

 このため、▲「チャン・ジャヨン文書」が何の目的で作成されたのか▲文書の内容に信ぴょう性があるか否か▲KBSで報じられた文書や、「第3の文書」の有無▲チャンさんを脅迫し自殺に追い込んだ人物が誰なのか-といった事件の核心はいまだ謎に包まれたままだ。

 警察の捜査がこのように長引いている間に、マネージャーやスタイリストなど、チャンさんの行動を詳しく知る関係者たちはみな行方をくらまし、インターネット上では実名を記した出所も真偽も分からない「チャン・ジャヨン・リスト」が出回り、さらなる被害者を生んでいる。

 警察は「名誉を傷つける行為を未然に防ぐため、大々的なサイバー捜査を行っている」と話しているが、実際にはリストを掲載したネットユーザーらが書き込みを自ら削除するよう仕向けることだけに汲々としているのが現実だ。警察はこの日、「サイバー捜査によって64件の“チャン・ジャヨン・リスト”のモニタリングを行った結果、すでに39件の書き込みが削除されていた」と話したが、原本の出所や流出した経緯については明らかになっていない。

城南=チョン・ジソプ記者

チョン・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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