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【三重】松阪市民病院、「公設公営」のままに 市が方針固める2009年3月24日
経営難に陥り、指定管理者制度の導入や独立行政法人への移行を検討していた松阪市民病院について、市は今後も、従来通り「公設公営」の形で運営していく方針を固めた。この1年間で経営状況が改善したことを理由に挙げている。 市民病院では、医師不足などから、2005年に精神科、07年には産科を閉鎖。“稼ぎ頭”がなくなったことで、07年度の事業決算は1946年の開院以来、過去最悪の10億5000万円の単年度赤字となり、累積赤字も76億3000万円に達した。 有識者でつくる「市民病院あり方検討委員会」は08年2月、経営改善ができない場合は、指定管理者制度を導入するか、独立行政法人化に踏み切るように提案。市側が議論を進めてきた。 ところが、状況が好転し、病院側によると08年度の事業決算も赤字ではあるが、実質ベースで前年度比3億7000万円減の2億7400万円にとどまる見通し。既に循環器専門の内科医を確保し、4月からは研修医も5人迎えることも含め、市側は「経営改善を果たした」と判断した。 市民病院の吉岡理事務部長は「前年度に比べ、本年度は診療収入が2億円増加した一方で、支出では1億円を減らした。今後も医師と看護師の増員に努めながら、2010年度の黒字転換を目指したい」と話している。 (我那覇圭)
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