加古川市で事故を起こし同乗者の少年4人を死傷させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた加古川市の少年(18)に対し、神戸地裁姫路支部は18日、求刑通り懲役4~7年を言い渡した。弁護側は「運転していない」と主張していたが、杉田友宏裁判長は少年を運転者と認定したうえで「無謀運転の結果はあまりにも重大」と述べた。弁護側は控訴する方針。
判決によると、少年は06年9月23日午前3時5分ごろ、加古川市の国道で乗用車を無免許運転。時速140キロ近くで走行中、ハンドルの自由を奪われて道路脇の街路樹に衝突し、同乗者の少年(当時15歳)ら3人を死亡させ1人に重傷を負わせた。
公判では、運転者が少年だったかが争点となった。検察側は(1)運転席周辺の衣服片や血液が少年のものと一致したとの鑑定結果(2)同乗者の証言(3)「運転した」とする捜査段階の少年の自供--などから、少年が運転していたとした。
一方の弁護側は、事故直前に少年らがコンビニ店の駐車場に車を止めていた時の様子を目撃した少女に「少年は助手席にいた」と証言してもらったほか、「捜査段階の自白は強要された。鑑定も中立公正ではない」などと主張していた。
杉田裁判長は鑑定結果を採用し「コンビニを出発した時は別の人が運転していた疑いがあるが、事故時の運転者が被告少年だったとする推認は揺るがない」と判断。「運転者が自分だとの明確な記憶がないにしても、事故を真摯(しんし)に振り返ろうとする姿勢がない」と断じた。【馬渕晶子】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年3月19日 地方版