経済 あなた発
体験、疑問、意見をお寄せ下さい
「独白 金融危機編」も連載中
【社会】生活保護費天引き 火災の老人施設 入所者の了解得ず2009年3月24日 朝刊 群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、東京都墨田区が紹介した生活保護受給者十五人分の保護費を施設へ一括送金し、施設が入所者に了承を得ずに家賃や食事代などを天引きしていたことが分かった。生活保護法では、受給者に認知症など金銭管理能力がない場合を除き、保護費は受給者本人に渡す原則を規定。しかし、施設は十五人のうち金銭管理能力がある数人についても、天引きをしていたとみられる。 入所者の男性(54)は十数枚の生活保護費支給内訳書を保管。いずれにも保護費の総額、老人施設の天引き額、手渡す残額などが記載してある。男性は「一年半前に施設に入った当初から天引きは了承していない。数千円ずつ数回、内訳書の残額と渡された金額が違った」と話す。元入所者の六十代男性も天引きの事実を指摘。二人とも金銭管理能力がある。 墨田区は「全員に金銭管理能力がないと判断し、全員の委任状をもらった上で内訳書とともに一括送金してきた。施設を信頼していた」と説明。一部の委任状は本人以外が署名した可能性がある。 ◆ライター破片 現場から押収 群馬県警入所者十人が死亡した群馬県渋川市の老人施「静養ホームたまゆら」の火災で、現場からライターの破片が見つかり、県警が押収していたことが分かった。捜査関係者が明らかにした。県警は、付近に火の気がないため、たばこの不始末が出火原因だった可能性があるとみて調べている。 県警によると、破片は、全焼した北側別館内で、火元とみられる西端の居室付近で見つかった。この別館からは七人の遺体が発見され、うち男性一人はこの居室付近で見つかった。施設関係者らの話では、施設内は禁煙とされていたが、喫煙する入所者もおり、施設側も建物内での喫煙を黙認していた。破片はたばこによる失火を裏付ける物証の一つになる可能性がある。 別館では入所者の徘徊(はいかい)を防ぐため、夜間に通常、屋外につながる引き戸を施錠していたことが判明。県警は、入所者が避難できずに死亡した可能性があるとみて、当時の施錠状況を調べている。 ◆所在不明の4人 名前と年齢訂正 県警群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」の火災で、県警は二十三日、所在不明となっている入所者七人のうち四人について、年齢と名前を訂正した。「たまゆら」の名簿を基に公表していたが、行政機関に照会したところ、誤りが分かった。正しい名前と年齢は▽大友良隆さん(87)▽梶藤ふみさん(85)▽沢村晴雄さん(77)▽佐藤正子さん(84)。
|