通天閣(大阪市浪速区恵美須東)地下の「通天閣歌謡劇場」が五日、「スタジオ210(ニーイチマル)」へと名前を衣替えして営業をスタートする。劇場の再編に伴い、二十年続いた歌謡劇場のイメージを一新。若者からお年寄りまで一般に広く利用してもらうのが目標で、運営する通天閣観光は「東の109、西の210と呼ばれるようがんばりたい」と意気込んでいる。
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新しい名前でスタートを切る「スタジオ210」のイメージ=通天閣観光提供 |
地下スペースは、通天閣が再建された一九五六年に完成。大阪市の図書館事業や熱帯魚を展示した地下水族館、当時としては関西最大級の「通天閣囲碁将棋センター」など、時代とともにその姿を変化させ、八九年からは歌謡ショーの会場として利用されてきた。
五月に閉館した道頓堀の演芸場「B1角座」の機能移転に伴い、五日からは松竹芸能(同区)が土日に漫才などの演芸を開く「通天閣劇場 TENGEKI」を、月曜日はこれまで週末に行っていた歌謡ショーを「通天閣歌謡劇場」の名称で開催する。
「210」は英語で「ツー」と「テン」、合わせて「ツーテン(通天)」という語呂合わせで、地元住民からの意見を取り入れるなどして決定した。劇場の再編に合わせて、座席数を九十五席から百九十六席へ拡大したほか、車いすスペースを設置。照明、音響設備を通天閣が管理し、利用料は一日で七万円程度に設定する。
同社の西上雅章社長は「五十年前に多目的ホールとして完成したスペースが、ようやく本来の姿に戻ったということ。歌謡劇場のイメージが薄れるのはさびしいが、次世代を担う若者たちには親しみやすい名前になったのでは」と話し、高井隆光副社長は「大阪文化発信の基地としてライブやファッションショーなど、いろいろな形で利用してもらいたい」と呼び掛けている。
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