週刊大阪日日新聞

2008/5/10

通天閣から演歌が消える 歌謡劇場が演芸中心へ

叶さん涙の嘆願書


▲「考え直してほしい」と訴える叶れい子さん

 大阪の名物、上方演芸資料館(ワッハ上方)の移転、食堂「大阪名物くいだおれ」の閉店などの話題が相次ぐ中、今度は大阪市浪速区の新世界通天閣歌謡劇場が7月5日から演芸の「通天閣地下劇場」に衣替えする。「追い出される」形になった“通天閣の歌姫”こと叶れい子さん(45)は「話が一方的で、20年来のファンの方に申し訳ない。抗議の嘆願書を松竹芸能に出す」と怒りを隠さない。

 同劇場は、通天閣の地下にあった囲碁将棋センターを改装してスタートし、来 年で20周年を迎えるところだった。NHKの朝の連続ドラマ「ふたりっ子」(96年)に同劇場で歌うオーロラ輝子が登場し、そのモデルの叶さんが一躍全国区人気になった。

 松竹芸能が道頓堀にある演芸の「B1角座」を5月末で閉館。7月5日から代替として通天閣歌謡劇場を使用するとし、「これまで週末の土、日曜日に行っていた歌謡ショーを月曜日に回し、演芸中心の新たな拠点にしたい」という。

 「寝耳に水で驚くと同時に、怒りでいっぱい。劇場はこの20年、わたしたち が街の人たちやファンの人たちで作り上げてきたところ。いす一つから持ち寄っていただいてできた」。

 叶さんは同劇場開設時からの仲間である“通天閣の貴公子”こと林健二さんや曽野恵子さん、奈美京子さん、大沢しのぶさんと連名で嘆願書を2日に松竹芸能本社に届けることになった。

 長年、歌謡劇場に通っているという年配の男性からは「後期高齢者医療制度と同じように年寄り対象のいじめのように思う。1500円の入場料でこれだけ楽しめて心を癒やしてくれる場所はここしかないのだから」とつぶやく声が聞こえた。

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