2009年3月23日23時54分
愛知県が低額所得者向けに設けている県営住宅に、07年12月時点で県の規定を上回る高額所得の921世帯が入居していることが23日、わかった。中には家族の分と合わせると年収が1800万円にのぼる警察官世帯も。県は、高額所得の県職員や月収120万円超の入居者に退去を指導する方針だ。
民主党県議団の会議で県営住宅管理室が説明した。
愛知県は、4人家族の場合で過去2年間連続して年収が約790万円以上の世帯を「高額所得」と規定。県営住宅には、これを下回る年収の世帯しか入居できない。
高額所得の世帯は、いずれも入居後に年収が増えたという。月収120万円超の自営業3世帯も入居中という。
高額所得の公務員は52世帯。内訳は、国家公務員が6世帯、県職員が9世帯、市町村職員が37世帯だった。
県職員に限ってみると、現在は1世帯が退去。2世帯は退職により規定より年収が下がったというが、警察官3世帯と高校教諭の3世帯は今も入居中という。
このうち、夫が警察官で妻が民間勤務の世帯は、年収が1800万円と突出。築30年超の古い部屋で間取りは3K(約40平方メートル)。月額家賃は3万3700円だが、これでも周辺の民間相場に合わせ、低額所得者の2倍以上にして徴収しているという。
県営住宅は、「派遣切り」などで住居を失った非正規労働者の一時受け入れ先として県が用意した194戸はすべて埋まっており、抽選に漏れた人が499人いる。県は「高額所得者が住み続けるのは公営住宅法の趣旨にあわない」とし、法で定められた6カ月以内の退去を求めるという。(前川浩之)