東播磨
満蒙開拓団の真実語る 高砂で作家古知さん
講演する古知正子さん=高砂市米田町米田 |
満州事変後に中国東北部に満蒙開拓団として送り出された人たちを約四十年間にわたって取材し、昨年「一九四五年夏満州-七虎力の惨劇」など二冊の著書を出版した作家古知正子さん(83)=姫路市福沢町=が二十二日、高砂市米田町米田の西光寺で講演した。(大成絢子)
古知さんは、一九六八年、外部筆者として神戸新聞に「兵庫女風土記」を連載していたとき、三田市在住の元開拓団の主婦と出会い、取材を始めた。開拓団は日本の敗戦を知らされず、侵攻した旧ソ連から逃げ惑う中で自らの子どもらをやむなく殺したという話を聞いて、証言や文献から真実をたどった。
この日は、取材の逸話を紹介。取材相手から「二十年間、自らの体験を誰にも話せず苦しんだが、話したことで初めて熟睡できた」と感謝されたことや、自分の好物の卵を食事に出してくれるなど関係者の素朴な優しさに触れ、執筆で有名になりたいという野心が消えていったと述べた。
戦争では、被害者と加害者の立場が交錯し、無意識に加害者になり得る怖さを強調。戦後、開拓団員が、中国東北部を訪問したとき、現地の中国人に土地を奪ったことを謝罪する姿を見て「(私自身も)満蒙開拓団の悲惨な体験を侵攻した旧ソ連のせいにしてきたが、現地の人にとっては開拓団が加害者だったことに気づいた」と話した。
最後に「戦争を二度と起こさないため、戦争を自分のこととして考え、仲間とその意思を話す場を持つことが大切」と呼びかけた。
女子挺身(ていしん)隊の体験がある石原百合子さん(84)=高砂市=は「戦時中の体験を振り返り、今に生かす良い機会になった」と話していた。
(3/23 11:02)
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