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坂田藤十郎:「曽根崎心中」お初を演じ1300回に 4月の歌舞伎座、23日に達成

 ◇56年間、毎回初役の気持ちで

 坂田藤十郎が4月の歌舞伎座夜の部で、あたり役の「曽根崎心中」のお初を演じる。藤十郎のお初は56年前から回を重ね、同23日には1300回に達する予定だ。「1000回までは意識していましたが、その後の回数はもう分からなくなりました」と話す。

 近松門左衛門の人形浄瑠璃作品を宇野信夫が歌舞伎脚本化し、1953年に新橋演舞場で初演された。

 遊女のお初と手代の徳兵衛は恋仲だった。しかし、金を貸した相手の九平次(中村橋之助)のたくらみで、徳兵衛は無実の罪を着せられる。将来の希望をなくした2人は心中に向かう。

 徳兵衛は中村翫雀(藤十郎の長男)がつとめる。二代目中村鴈治郎(藤十郎の父)が初演して以来、尾上菊五郎、市川團十郎、中村梅玉らも手がけた。だが、お初は中村扇雀(藤十郎の次男)がつとめた以外は、藤十郎が演じ続けてきた。

 1000回を迎えたのは95年1月16日の大阪中座。翌日に阪神大震災があったが、それでも公演は休まなかった。ロンドン、モスクワなど海外公演も経験した。

 77歳の藤十郎は「21歳からずっとやらしていただき、私を世に出してくれたのもお初です。今回初めてご覧になるお客様も、56年前から見続けているファンの方もいらっしゃるでしょう。私は毎回初役のような気持ちでつとめます」

 4月2日から26日まで。問い合わせは03・5565・6000へ。【小玉祥子】

毎日新聞 2009年3月23日 東京夕刊

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