インターネットやコミュニケーションの話題を中心に、思ったことをつらつらと書いていくブログです。

世間はそれほどググらない

「ググる」という表現がありますね。
「Google で検索する」という意味で使われる動詞。
いま試しに打ってみたら
ATOK でそのまま変換されてちょっと驚いた。

英語でも "google" が動詞として使われることがあるので
ちょうどそれにあたる日本語かな。
もっとも Google 社は
この "google" という動詞を使うのやめてくれって言ってた気がするけど。

「人に聞く前にまず検索しろよ」という意味で
「ググる」の命令形「ググれ」が使われることも多いと思う。
その後に人を罵倒する表現をつけて「ググれ○○」というのも。

罵る表現を使うのはともかく、
ちょっと検索すればわかるようなことを頻繁に聞かれて
それに対応しなければならない人が
「それぐらい調べてくれればいいのに」
と思う気持ちはまあわかる。

が、実際それはかなり虚しい訴えだという気もする。

そもそも、何かわからないことがあったとき
「検索する」という選択肢が思い浮かぶ人は
実際どれぐらいいるんだろうか。

日常的にウェブを利用している人は
やはりウェブを使うことに慣れている人と付き合うことが多く
身の回りのウェブ熟練度というか依存度というかが高くなりがちなので、
世間の平均的な感覚がわかにくくなるんじゃないかと思う。

普段自分の目の前にパソコンがあって
基本的に電源が入っていて
だいたい常にブラウザが立ち上がっていて
デフォルトページに検索窓があるということになると
本当にごく一部の人に限られるかもしれない。

第一、聞いた方が早い。

自分で解決しようとしたら何時間もかかるようなことが
知ってる人に聞いたら5秒で片付くということはよくある。

相手の時間を奪うとか手を煩わせるとか
そういうデメリットはもちろんあるんだけど、
あまり慣れていない人が辛い思いをして検索するより
詳しそうな人に電話する方を取るのは
ごく自然なことじゃないだろうか。

もっとウェブが日常に浸透してもっと便利になって
本当に「いつでも」「どこでも」そして何より「誰でも」
簡単に情報を見つけられるようになって
まずは自分で検索してみることが当たり前になってくれると
個人的にもとっても助かるなあとは思う。

けど、少なくとも現状で
何でもかんでも「ググれ」というのには
ちょっと無理があるかもしれない。

というようなことを、
この発言を目にしてからつらつらと思っている。

Twitter / Hajime Kobayashi

世間はそれほどぐぐらない。

だからどうすべきだとかそういうのは特にない。

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2009年03月23日 13:01

世間がそれほどググらないのは (tak shonai's "Today's Crack" (今日の一撃))

「駄文ニュース」 からのリンクで 「世間はそれほどググらない」 という記事を見つ(続きを読む)

コメント

2009年03月18日 11:37

うーん。確かにそれは言える。

頻繁に検索する方ならいざ知らず、たいていパソに親しんでない方のトップページはyahooであったり、自パソコンのメーカーサイトだったりするよね。

検索結果で表示されるページも内容が古かったり、誤った情報だったりすることも結構あるから、膨大な情報から自分の欲しい情報を得ることはなかなか難しいとは思うね。

誰でも簡単に欲しい情報にアクセスできるという事は、非常に便利な事である一方で、非常に危険なことでもあるとおいらは思います。

Yuhonon
no link

2009年03月19日 00:03

自分基準がみんな基準だとは限らないということはあたりまえのことなのに、少し自分に余裕が無かったりすると、つい相手のことを考えずに物事を進めてしまったりします。

最近、一緒にプロジェクトを始めた人がネットにつなぐのに電話回線を使っていて、正直、唖然としました。
そんなことには思いも及ばず、ネット上でいろいろなファイルを共有するつもりだったんですが頓挫です。
「pdfって何ですか?」とメールで聞かれたりもありました。

その便利さを共有していないことが「不自由」にならない人間関係を築いていきたいと望みます。それぞれが自分のペースで自分の感覚で一番いいと思える方法を選べることが大切だと思います。


no link

2009年03月23日 01:00

むしろそういう傾向を利用して自分の利益につなげる事を考えた方が建設的じゃないかな、と。
ググるに限らずいろんなノウハウを「どうせ言ってもわかんないでしょ?俺が全部やっとくよ」と独占して、その場で重要なポジションを確保する、なんてテクニックでいろんな現場を渡り歩いてる人を見てると特に。