「訓練生に分かりやすい授業を心掛けたい」と宇佐美博美さん=大分市の九州運輸局大分運輸支局
県立大分高等技術専門校の職業訓練指導員、宇佐美博美さん(34)=大分市上野町=が、難関の国家資格「一級小型自動車整備士」を取得した。九州運輸局大分運輸支局によると、県内の女性合格者は初めて。宇佐美さんを含めて県内で同資格を所有しているのは三十三人しかいない。
同資格は、自動車の点検・整備について最高レベルの知識と技術を持つことを示すもので、二〇〇二年に“誕生”した。筆記、口述、実技の三つの試験があり、ハイブリッドカーの整備や故障診断、自動車のリサイクル方法、接客スキル(技能)なども問われる。
本年度の合格者は、全国で二百六十四人。県内の合格者は宇佐美さんと、トヨタカローラ大分の宿名寿憲さん(27)=大分市田尻=の二人だけ。
宇佐美さんは「訓練生からの質問に、何でも自信を持って答えられるようになりたい」という思いから受験を決意。二〇〇五年度に受験したが、準備不足もあって筆記試験で不合格となった。間もなく出産し、仕事と家事に育児も加わって慌ただしい毎日に。それでも子どもが寝ている早朝などに猛勉強を重ね、二度目の挑戦で合格を果たした。
宇佐美さんは「仕事と育児、勉強を同時にこなすのは大変だったが、合格できてうれしい。今後は日々進歩する自動車の技術に遅れないよう勉強するとともに、訓練生に分かりやすい授業を心掛けます」とにっこり。
九州運輸局大分運輸支局の宮村雄二支局長は「自動車整備士は女性が少ない業種だが、宇佐美さんの合格をきっかけに、多くの女性が興味を持ってくれるだろう。訓練生の“生きた目標”として今後も指導に頑張ってほしい」とエールを送っている。
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