WBC:日本が決勝進出、米国に9-4

2009年3月23日 10時54分 更新:3月23日 18時31分

【日本・米国】最後の打者から三振を奪い、雄たけびを上げるダルビッシュ=米カリフォルニア州ロサンゼルスのドジャースタジアムで2009年3月22日、木葉健二撮影
【日本・米国】最後の打者から三振を奪い、雄たけびを上げるダルビッシュ=米カリフォルニア州ロサンゼルスのドジャースタジアムで2009年3月22日、木葉健二撮影

 【ロサンゼルス村田隆和】日本が連覇に王手をかけた。22日に当地のドジャースタジアムで行われた第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝で、日本は米国を9-4で破り、決勝に進んだ。23日(日本時間24日)に行われる決勝戦の先発は日本が岩隈(楽天)、韓国は左腕の奉重根。

 日本は1点を追う四回無死一、二塁で、福留(カブス)の二ゴロが敵失を誘って同点とし、城島(マリナーズ)の犠飛で勝ち越し。その後も岩村(レイズ)らの適時打などで一気にたたみかけ、大量5点を挙げた。八回にも城島の犠飛やイチロー(マリナーズ)の右前適時打、中島(西武)の右中間適時二塁打で3点を奪った。

 先発の松坂(レッドソックス)は制球に苦しみ、先頭打者本塁打を浴びるなど五回途中まで2失点ながら、今大会3勝目。最後は抑えにダルビッシュ(日本ハム)を投入し、米国の反撃を封じた。

 決勝戦で対戦する韓国とは今大会5度目の顔合わせ。岩隈は1次ラウンド1位決定戦の韓国戦で先発し、負け投手となった。奉重根は1次ラウンド1位決定戦、2次ラウンド2回戦と日本戦2試合に先発し、2勝を挙げている。

 ▽日本・原監督 日本球界にとっても大きな歴史を刻んだ。粘り強く集中打が出た。気力もやや上回った。あしたは世紀の一戦になる。堂々と勝負したい。

 ▽日本・川崎 緊張しました。米国のメンバーもすごいので。(初先発だったが)ベンチでも試合に出ているつもりだったし、「よっしゃ!」という気持ちだった。(決勝は)やるだけです。気を引き締めて、明日を迎えたい。

 ▽日本・杉内 (2番手で登板)同級生の松坂が先発して、粘り強く試合を作っていたし、抑えられて良かった。もう1試合、今日以上の成績が残せればいい。

 ▽日本・松坂 前回米国に勝てなかったし、米国に対して投げることができ、勝つことが出来て本当に良かった。(先頭打者本塁打は)あの風で入るとは思わなかった。本塁打だったので(気持ちを)切り替えられた。先発投手がフラフラしていたので、よく打って、よく守ってくれた。今大会は野手に感謝。(決勝は)僕はもうプレーできないので、ベンチで一生懸命応援して優勝したい。

 ○…日本先発の松坂は不安定な立ち上がりを突かれ、一回、先頭打者のロバーツに一発を浴び、三回にも3、4番の連打で追加点を奪われた。それでも「普段よくある自分。悪いなりにはよく投げることができた」と話したように、五回途中まで5安打2失点とゲームメークの役割は果たし、今大会3勝目を挙げた。前回大会の2次リーグ・米国戦はサヨナラ負け。「勝てそうなところで勝てなかった。日本はチャンピオンになっても負けたままだったので」との悔しい思いを晴らせたこともあり、試合後は笑顔が浮かんだ。球数制限により、決勝での登板はないが、ベンチでチームメートを鼓舞し、2連覇を祈る。

 ○…九回、日本が抑えとしてマウンドに送ったのは、ダルビッシュだった。前夜、山田投手コーチから「抑えはどうだ」と打診された時は、「勘弁して下さい」と答えたが、内心は「やるしかない」と思っていたという。抑えの経験は全くなかったものの、藤川(阪神)に肩の作り方などのアドバイスを受け、出番に備えた。

 先頭のジーターを速球で遊ゴロに打ち取ると、ロリンズには右前打を許したが、ライト、ダンの4、5番を連続三振。最後はマウンドで力強いガッツポーズを見せ、ゲームを締めた。わずか1度の経験だが、「こっち(抑え)でも楽しめるし、やりがいがある」。決勝も、言われた場面で投げるつもりだ。

 ○…今大会初の先発出場となった川崎が期待に応えた。四回、米国に勝ち越して、なお2死三塁の場面では、貴重な追加点となる右前適時打。八回には相手の失策で出塁後に、すかさず二盗を決めて、ダメ押しとなるイチローの適時打をお膳立てした。「緊迫した試合だったので必死にやった。米国はすごい選手ばかりだったけど負けるわけはいかないと気持ちを奮い立たせた」と川崎。ひたむきなプレーで、チームに勢いをもたらした。

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