ここから本文エリア 医療事故解決策、官民で2009年03月23日
「調査委」あり方議論 医療事故の解決策や被害者が置かれた状況を探ろうと、「医療情報の公開・開示を求める市民の会」(大阪市)など4団体が22日、フォーラム「身近に起こる医療事故 その現状と対策」を南区の京都テルサで開いた。厚生労働省の職員や医師も出席し、同省が設置を検討している医療安全調査委員会のあり方などについて意見を交わした。 「市民の会」世話人で、出産事故で長女を亡くした勝村久司さん(47)が厚労省の諮問機関で委員をしている関係で、同省医療安全推進室員2人の出席が実現。森洋一・府医師会長や京都大付属病院の医師も加わった。患者側は勝村さんのほか、同病院のエタノール誤注入事件(00年)で17歳の娘を亡くした藤井香さん(52)らが出席し 厚労省側は医療安全調査委員会の試案について説明。現状では医療事故の真相を解明する方法は民事、刑事の訴訟に限られているが、設置後は調査委も調べることや、委員は医療関係者中心になることなどを話した。 藤井さんは、娘の事故で病院側の謝罪がなかったことから「常識では考えられない対応に不信を抱いた。調査委に被害者側の人間を入れることが必要だ」と提案した。勝村さんも「信頼できる仕組みにしてほしい。裁判員制度のように市民を参加させるか、きちんと情報公開をしてほしい」と注文した。 終了後、医療安全推進室の佐原康之室長は「被害者の願いは原因の究明や再発防止。これに沿う調査委にしたいので、今後も色々な意見を寄せてほしい」と話した。勝村さんも「有意義な会だった。クレーマーと中傷されながらも医療機関に情報開示を求めてきた患者の思いを忘れないでいてほしい」と応じた。
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