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チャン・ジャヨン文書:チャンさん自殺前から内容を吹聴!?

メディア関係者との接触、中堅女優も証言

 女優チャン・ジャヨンさん(29)が今月7日に自殺する直前に作成した、いわゆる「チャン・ジャヨン文書」について、作成の目的や流出した経緯をめぐる疑惑が広がっている。「チャン・ジャヨン文書」の存在をメディアで初めて明らかにした、チャンさんの元マネージャーのユ・ジャンホ氏(29)が、チャンさんが自殺する前からこの文書の内容をテレビ局の関係者らに吹聴していたことが確認され、この文書が最初から特定の「目的」や「意図」をもって作成されたのではないかとの見方も出ている。

 ユ氏は警察の事情聴取や記者会見などで、「先月28日、チャンさんが(ソウル市松坡区)梧琴洞のわたしの事務所へ来て、午後6時からわたしが見ている前で、一人で文書を作成した」と話している。文書は所属事務所のキム社長(40)からたびたび暴行を受け、著名人との酒席への同席や性的な接待を強要されていたという内容だったことが分かっている。

 チャンさんはその約1週間後の今月7日午後4時ごろ、京畿道城南市盆唐区の自宅で死んでいるのが発見された。ユ氏はチャンさんが死亡した翌日の8日、チャンさんの殯(ひん)所(出棺まで棺を安置する場所)を訪れ、遺族に文書を見せて「マスコミに公開しよう」と提案した。遺族はメディアのインタビューに対し、「ユさんが4枚の文書のコピーを見せ、“ジャヨンの遺書だ”と言った。住民登録番号が記され、拇印(ぼいん)が押されていたため、遺書だとは考えられず、公開にも反対した」と語った。ユ氏と遺族はチャンさんの告別式(9日)から3日後の12日、ソウル市江南区三成洞の奉恩寺で会い、両者の合意の下、文書の原本とコピーをすべて焼却したとされていた。

 だが、「焼却した」はずの文書が13日と14日、KBS夜9時のニュースで取り上げられ、ユ氏は「この文書は遺書ではなく、チャンさんが所属事務所のキム社長を警察に告訴するために作成した陳述書だ」と述べた。

 一方、ユ氏とチャンさんがテレビ局の関係者たちに文書の内容を吹聴していたことも確認された。ユ氏が経営する芸能プロダクションに所属していた人気女優が、フリーランスのドラマ・プロデューサーのA氏に電話をかけ、「チャンさんが書いた文書があるが、あきれてものが言えない。ユさんとチャンさんが文書を持ってあなたを訪ねると思うので、(事情をよく聞き、チャンさんの所属事務所社長の)キムさんを叱りつけてほしい」と求めていたという。A氏がキム社長に対し影響力を行使できると判断したものとみられる。

 この女優はもともとチャンさんと同じ所属事務所にいたが、昨年末にユ氏が経営するプロダクションに移籍しており、その際にチャンさんの所属事務所のキム社長と気まずい関係になっていた、と関係者たちは話している。キム社長はこの女優に対し、2億ウォン(約1400万円)の損害賠償を求める訴訟を起こす準備を進めているという。

 A氏は本紙の電話取材に対し、「(前出の)女優から文書の内容についてだいたい聞いている。その後、チャンさんが自殺する直前(今月4日)にユさんがわたしに電話をかけてきて、“チャンさんと一緒に文書を持ってそちらへ行く”と言われたが、わたしはドラマの収録があるため、1週間後に会う約束をした」と語った。

 また、A氏は「チャンさんが自殺した後、わたしの名前も文書に含まれている、とメディアに報じられ、わたしのせいで被害を受けたと主張していたことが分かった。その一方でわたしに会い、助けを借りようとしていた理由が何なのか、まったく見当もつかない」と話した。文書の作成の目的はもとより、内容の信ぴょう性も疑わしいというわけだ。

 一方、前出の女優は本紙の電話取材に対し、「チャンさんが死ぬ前に文書の存在を知り、Aさんに電話をかけたことは事実だが、その文書を見たことはなかった。そのためわたしはこれ以上お話しできない。この問題は法的な手続きの下で決着をつけるべき問題だ」と話している。

故チャン・ジャヨンさんの所属事務所が昨年10月まで使用していたソウル市江南区三成洞の建物の全景。盆唐警察署は22日、この建物への家宅捜索を行った。この建物の3階にはベッドやシャワー室があった。

崔承賢(チェ・スンヒョン)記者

チョン・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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