卒業旅行は「安」「近」で　韓国が人気

　「１００年に１度」と言われる昨今の不況は、若者たちの思い出作りにも影響を与えているのか。県内の学生が選んだ卒業旅行の行き先を探ってみると−。

　ＪＴＢ中部福井支店（福井市大手３丁目）によると、海外旅行では、韓国の人気が高かった。同店の長谷川浩子営業課長は「不況によるウォン安の影響もあり、近くて安い韓国が、特に男性に好まれた」と話す。

　近年人気が目立っていたタイや中国は、治安の悪化や食の問題も絡んで、敬遠されたという。女性では例年通り、ヨーロッパを好む傾向も見られた。国内旅行は今年も、２５周年を迎えた東京ディズニーリゾートや沖縄が人気だった。

　ただ不況は、卒業旅行の売り上げにも影を落とす。近畿日本ツーリスト福井支店（同市大手２丁目）の担当者は「去年より学生たちの動きが鈍く、売り上げも伸び悩んだ」と話す。ＪＴＢ中部福井支店の長谷川課長も、今年の１、２月は一般も含めて状況が芳しくなかったとの見方を示している。　

　（増田紗苗）