十勝毎日新聞社ニュース
看護師発掘に躍起 管内で400人弱不足
開西病院 26日に復職支援セミナー
医療現場での看護師不足傾向が続いている。道看護協会ナースバンクの求人調査では管内で400人弱不足。担い手減少や介護施設での需要増が要因だが、子育ての都合などで未就業の免許保有者も一定数いるとみられる。眠っている看護免許を活用してもらおうと、帯広市内の開西病院(西23南2、細川吉博理事長)が26日に初の看護職員復職支援セミナーを開く。看護協会も7月に求人求職合同面接会を予定、人材発掘に向けた動きが活発化しつつある。
道看護協会ナースバンク帯広業務支所(東3南3、帯広保健所内)によると、医療機関の看護師求人数は、2007年308人、08年347人と増えている一方で、看護師免許保有者による求職者数は07年117人、08年89人と減少。「世間とはまったく逆の構造で人材確保は年々厳しくなっている」という。
医療機関側も人材獲得に懸命。開西病院の復職支援セミナーは26日午前10時から、同病院と介護老人保健施設あかしや(幕別町札内あかしや町42)の2会場で開かれる。准看護師や保健師も対象で、堀サチコ看護介護部長は「患者に満足してもらえる看護の提供に向け人材確保したい」と説明する。
免許を持ちながら就業していない事情について、堀部長は「小さな子供を預けられないといった子育ての都合や、家族を養う関係から労働時間に制約があると思う。復職に必要な課題をアンケートで把握し、安心して復職できるよう支援したい」と説明する。
同病院では託児所を整備しているほか、短い労働時間でも正職員扱いできる手法も採用。看護師へのステップアップを希望する准看護師には奨学金制度も設けた。「長らく現場復帰していないと、医療機器や医薬品の変化など新しい医療に対応できるか不安もある。じっくり慣れてもらえるよう育成していく」と堀部長は強調する。
一方、看護協会ナースバンクでは再就業希望者の求職登録を呼び掛けている。バンクでは求職希望者が医療機関の求人情報を見て選べるほか、登録票に記入された労働時間や勤務先など希望条件に合った医療機関との調整もする。
7月の面接会では、雇用条件などで説明時間をつくる。同バンクの伊藤啓子さんは「職場復帰に不安がある人には体験研修し、良ければ再就職できる方法もある」と話している。
開西病院のセミナー希望者は24日までに(0155−38-7200)へ。ナースバンク帯広の問い合わせは(0155−21−3353)。
(児玉匡史)