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【ゆうゆうLife】介護職員 「たん吸引」解禁に期待 医療側からは慎重論も (2/3ページ)
しかし、特養の看護師は入所者100人に対し、3人。夜間は看護師不在のところがほとんど。特養が加盟する全国老人福祉施設協議会(老施協)の調査でも、夜間、介護職に「たんの吸引」を任せている施設は56%に上った。
こうした実態を踏まえ、昨年11月、厚労相の有識者会議「安心と希望の介護ビジョン会議」が、介護職によるたんの吸引などの解禁を提言。今年2月、検討会が始まった。
桝田和平・老施協総研介護委員長は「解禁は時代の流れ。法的に認められなければ、研修も義務付けできない。現場で看護師から簡単に教わる程度では、かえって問題だ」と、解禁に期待をかける。
しかし、医療職は慎重な姿勢だ。日本看護協会の高階(たかがい)恵美子常任理事は「特養での『たんの吸引』には、残渣清浄などの口腔(こうくう)ケアも含まれている。全身状態が悪く、自力で気道の分泌物を出せない人の呼吸管理のために行う『たんの吸引』はリスクの高い医療行為で医療職がすべき。リスクに応じた整理が重要。看護師がいない夜間に医療行為が必要な入所者がいる施設では、看護師を増やすなど、安全な療養態勢を整えるべきだ」と指摘する。
これに対して、群馬県のあるグループホームの施設長は「苦痛を取り除くためにたんの吸引を行っており、放置すれば命にかかわる。それを口腔ケアとされるのは違和感がある」と、早急な対処を求めている。
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