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【衝撃事件の核心】人気のレーシック手術…「薄利多売」に走った眼科、ずさんな衛生管理 (4/5ページ)
このニュースのトピックス:美容・コスメ
20年3月には、東京・池袋に「池袋東口アイクリニック」と「池袋アイハートクリニック」を開設した(いずれも20年6月閉鎖)。池袋の2つのクリニックはレーシック手術と手術前の検査をそれぞれが分担し、1つのクリニックとして機能していた。
いずれも開設者は、溝口院長とは別の医師の名前で届け出されていたが、クリニックの賃貸契約が溝口院長名義で結ばれるなど、事実上の経営者とみられる。
人通りの多い、駅に近い好立地を選び、クリニックを宣伝するHPの作成にも力を入れていたという溝口院長。「経営のセンスは結構あったのでは」と周囲は語る。
関係者によれば、アイクリニックはレーシック手術専門で、すべての手術を溝口院長が1人で行っていた。緑内障などを専門とする溝口眼科でも、クリニックの窓にはレーシック手術の広告を張り出し、客集めをしていたという。
昨年6月にアイクリニックで手術を受け、角膜炎を発症した会社員の女性(35)は溝口眼科の広告をきっかけに、アイクリニックで手術を受けた。
「狭い雑居ビルの中にあって驚いた。手術の時には患者用の手術着もなかったし、目などの消毒も簡単で不安に思った」と女性は振り返る。
アイクリニックは、20年3月の診療開始から約1カ月間、保健所に開設届を提出しておらず、医療法違反の疑いも持たれており、池袋保健所が当時の患者に被害がなかったか調査に乗り出している。
「違法かどうかは分からない。取材は受けられない」。溝口院長は産経新聞の取材にこう答え、足早に立ち去った。
「セレブになりたい」…医療機器の維持費は年間800万
プロゴルフのタイガー・ウッズ選手ら有名スポーツ選手が受けたことで世界的に知られるようになったレーシック手術。
日本では平成17年ごろ、美容整形系のクリニックが取り入れ、キャンペーン展開したことで人気が高まった。