ニュース: 生活 RSS feed
【衝撃事件の核心】人気のレーシック手術…「薄利多売」に走った眼科、ずさんな衛生管理 (3/5ページ)
同弁護団が3月9日から実施している電話相談には、昨年9月以前にも、緑膿菌による角膜潰瘍(かいよう)などを発症した患者25人から相談が寄せられているのだ。1月27日以降に手術を受けた6人からの相談もあった。
これまでの相談件数は計108件(18日現在)。このうち、溝口院長の手術を受けた患者とみられる75人から聞き取り調査を行った結果、銀座眼科で手術を受けた後、他の病院で受診している患者は87%を占めた。また、何らかの後遺症の診断を受けた人は56%に上った。
19年7月の手術で感染症を発症した東京都内の自営業の男性(34)は今月9日、溝口院長を相手取り、約2000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
男性によると、レーシック手術翌日から目が痛くなり、2日後に別の病院で角膜潰瘍(かいよう)と診断されて18日間入院。手術を受けたが、視力が低下する被害に遭った。
「溝口院長は手術に対するリスクを一切、説明しなかった。医師としての責任が軽すぎると思った」
男性は怒りを込め、提訴理由を話した。現在も左右の視力の差が大きく、遠近感が取りづらい状態で、仕事にも支障をきたしているという。
池袋でも健康被害…「消毒簡単で不安だった」
東京都中央区6丁目。銀座眼科は「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」など海外高級ブランドショップが軒を連ねる並木通り沿いの好立地に位置している。
別の医師から設備を引き継ぐ形で開設し、「物件の賃貸料や設備の維持費だけでも300万円以上はかかっている」とある関係者は明かす。
銀座眼科のパンフレットや関係者によると、溝口院長は埼玉県出身。平成元年に産業医科大卒業後、自治医科大眼科教室に入局、東京医科大眼科助手を経て16年5月、さいたま市内で医療法人社団アイサージョンを設立。17年4月に埼玉・浦和に「溝口眼科北浦和」を開設した。