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【衝撃事件の核心】人気のレーシック手術…「薄利多売」に走った眼科、ずさんな衛生管理 (2/5ページ)
このニュースのトピックス:美容・コスメ
「ブラジルやアメリカで同じような集団感染が発生したことがあったが、日本ではありえない被害。衛生管理に相当な問題があったはずだ」
日本眼内レンズ屈折手術学会の常任理事で東京歯科大水道橋病院眼科のビッセン宮島弘子教授は驚きを隠さない。
銀座眼科をめぐっては、保健所の立ち入り調査で、手術器具の滅菌装置の不具合▽手術時に手をアルコール消毒しない▽手術室に手洗い場がない−などずさんな衛生管理が明らかになっている。
「被害の発生は昨年9月23日から今年1月27日に手術した患者で発生した」。溝口院長は保健所の調査にこう説明した。
溝口院長によると、昨年9月23日に手術した患者が角膜炎を発症したことで初めて感染症の発生に気づいたという。当初は非感染性の角膜炎と考えていたが、その後も発症する患者が相次いだため、感染性を疑い始め、独自に感染源を調べ始めたのだという。
「自分で医療器具の洗浄など試行錯誤し、改善できるものと思っていた」
今年1月中旬に手術器具の滅菌装置を交換したところ、1月17日に手術した患者を最後に感染症の発生が止まったとしている。
しかし、感染源を特定しないまま、4カ月にわたり手術を続けたことが、被害を拡大させた最大の理由だ。
「値段を下げて手術数をこなす『薄利多売』で、衛生面についておろそかになっていたのではないか」。都内の別のクリニックの医師はこう指摘する。
手術翌日に目の痛み…訴訟沙汰のケースも
「銀座眼科では、昨年9月以前から感染者の存在を認識しながら、隠していた可能性が考えられる」。被害患者救済のため、無料電話相談を実施している弁護士グループ「医療問題弁護団」幹事長の石川順子弁護士は、こうみる。