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【衝撃事件の核心】人気のレーシック手術…「薄利多売」に走った眼科、ずさんな衛生管理 (1/5ページ)
このニュースのトピックス:美容・コスメ
近視を矯正するレーシック手術を受けた患者が角膜炎などに集団感染した東京・銀座の診療所「銀座眼科」。保健所がこれまでに確認した被害患者の数は75人にのぼり拡大の一途をたどっている。4年ほど前から急速に広がった人気の手術だが、自由診療のため価格競争が激化。同眼科の溝口朝雄(ともお)院長は安い価格設定で多くの患者を集めていた。「薄利多売」を求めた結果、衛生管理がおざなりになったことが被害拡大の原因とみられる。その実態とは…。
滅菌装置の不具合、消毒なし…考えられない被害
《他のクリニックに比べてかなり安いために不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、機械や手術内容は最高のものと自負しております》《皆様の見える世界が少しでも快適になるお手伝いができれば、この上なくうれしく思います》
2月25日に集団感染が発覚するまで開設されていた銀座眼科のホームページ(HP)にはこんなうたい文句が並んでいた。
手術費用は両眼で9万5000円〜10万5000円。両目の手術で約10万円〜50万円といわれる市場の相場で、最も低い価格帯は眼鏡やコンタクトレンズの煩わしさを嫌う20〜30代の若い世代には魅力的な価格だ。高級感漂う銀座という立地も、患者に安心感を与えていたのかもしれない。
しかし、後遺症に苦しむ患者からしてみれば、「快適な世界」からはほど遠かった。
中央区保健所が銀座眼科から提出されたリストを基に把握している被害患者数は、昨年9月から今年1月に手術を受けた約639人のうち75人(17日現在)。
保健所が医療機関を通じて39人の病状調査を実施したところ、20人が重症と診断されていた。このうち1人は、進行すると失明する可能性がある網膜剥離(はくり)。4人が角膜移植を検討しているという。