1999年03月23日

第486話「運命の大学受験XVIII」

テーマ:運命の大学受験

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さくら雪 ~Last Love Letter~
3/23(月)更新 第4話 「告白の夜」

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浅井武勇伝
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。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜



「私の…
いや、私たち夫婦の気持ちは…
ずっと前から決まってた。

私たちは…

ヒカル君、君のことを…

もう一度信用したいって、そう思ってる」






・・・・・!!!





最初、何を言われているのか
よく分からなかった。



だ、だってそりゃそうでしょ?

ついさっき…

ほんのちょっと前まで、
約束どおり静香とは別れてもらうしかないって
言われてたんだよ?


最後のチャンスをものにできなかった俺が悪いんだ。

仕方ないんだ。


こうなったら、今の俺に出来ること―――

いつか分かってもらえる日がくるまで
誠心誠意待ち続けよう。

ご両親のお許しを頂ける日を信じて待ち続けよう。

折れそうになる心を支えながら、
決死の覚悟を決めたばかりだったんだよ?



泣くのだけは堪えよう。

泣くのは家に帰ってからでいい。

これで最後になるかもしれない静香の前で
涙を見せるのはやめよう。

最後にかっこつけぐらいつけてやろう。


そう思っていたから…





もう一度信用したいって言われたって…



どういう意味か理解できなかった。









すると、お父様は、

間抜けな顔でポカンとしている俺に向かって…




「今回、Bに合格したから言うわけじゃない。
ずっと前から家内とは話し合ってた。

仮に娘が入試に全滅して
浪人するようなことになっていたとしても…

君との交際を認めるつもりだった。

娘と君の交際を認めるつもりだったんだ」




そう言われて…








やっと意味が分かった。



理解できた。





た、ただ、理解はできたんだけど、

あまりのサプライズに…




え?


えええ???


えええええええええ?!
(゚Д゚≡゚Д゚)


ってプチパニックになりましたけどね(汗)






ちなみに静香ちゃんも…

え?!

って、超間抜けな顔で
ぽか~んと、口を開けておりました(笑)






「あの文化祭の日から…
私たち夫婦はずっと君のことを見てきたよ。

君は…

私たちに約束した通り、
一生懸命娘の面倒を見てくれた。

娘が友達に迷惑をかけて絶交されたときも、
ずっと支えてくれた。

君のおかげで娘は、
生涯の友達を失わずにすんだ。

親として本当に感謝している…」




と、頭を下げるお父様。

それも90度以上も深々と…(汗)



サプライズの連続に、



「と、とんでもないです…(大汗)」


ますます焦りまくるオッサン…










「それから…

リリィがあんなことになってしまったとき、
正直、私たちは本当に参ってた。

あそこまで落胆して、魂が抜けてしまったような娘を
いったいどう慰めたらいいか、
どう元気付けたらいいのか、
正直、さっぱり分からなかった。

親として何もしてやれない苦悩でいっぱいだった」



お父様がそう言ったとき…
静香の瞳がまたウルウルっと光った気がしたんだよね。


多分…

リリィの可愛い笑顔を…

にゃ~んと静香に擦り寄って甘える姿を
思い出したんじゃないだろうか。





「これを助けてくれたのが…

ヒカル君…

君だった。

大学受験をやめるとまで言い出した娘を
またやる気にさせてくれたのは君だった。

娘に力を与えてくれたのは、
再び娘に生気を与えてくれたのは、
私たち親じゃなくて…

間違いなく君だった」




お父様の言葉にあわせるように、

何度も何度も頷くお母様…。




お父様とお母様のお2人がそろって俺のことを
優しく見つめていてくれていた。

俺のことを暖かい目で見てくれてた。









これは…








夢じゃないのか…?







静香と無理矢理別れさせられて、
大泣きしたあと疲れて眠りについたオッサンが見た、
都合のいい夢じゃないのか…?




















それを確かめるために、
こっそり太ももの部分をつねってみたんだけど、

ズボンの上からっていうのと、
感情が大きすぎて神経が麻痺しているのか、

全然痛くなかったもんだからさ…






やっぱ夢なのかもしれない…
ヽ(;´Д`)ノ


とさっぱり安心できないオッサンでありました…(汗)











だけど…

















次のお父様のお言葉に…








これは冗談なんかじゃない。








決して…








夢なんかじゃないんだって…






















「私たちは、もう迷わないよ。
君だったら…
娘を任せられる。
ヒカル君、君だったら、
娘のことを責任もって幸せにしてくれるだろうって、
心からそう思ってる。

私も妻も…

娘には君しかいないって、そう思ってる」









ホント…なのか…?









本当に…







静香との交際を認めてもらえるのか…?














「で、でも、私は…
お父さんとの約束を守れませんでした。
絶対第一希望に合格させるって誓いながら、
それを果たすことができませんでした。

なのに…」




今、起きていることが、どうしても信じられなくて、
わざわざ自分に不利になるようなことを言ってしまった俺に、


お父様は、ふっと頬を緩めたあと…



「そうだな。確かに約束した。
君と娘の交際は、合格させるまでの
君の行動を見たうえで判断するって約束した。

娘を第一希望に合格させても、
私が交際相手にふさわしいって思わなければ
認めなくても構わないって約束だったよね」



「はい…」



「でもそれは逆に言えば、
娘が第一希望に合格しなくても、
私が娘の交際相手にふさわしいって思えば、
認めてもいいってことになるんじゃないか?」



「………」



「さっき、あんな風に聞いたのは、
君がどれだけ娘のことを想ってるのか、
最後に確認したかったんだ」



あんな風にってのは…

『娘を強引に連れていきたくないのか?』

ってことでしょう…



「あれを聞いて、ますます確信したよ。
本当に娘の幸せを考えてくれてるんだなって
よくよく伝わってきた」



「………」



「君に娘のことを任せたい。
頼んだよ…」













泣くつもりなんかなかった。







いい年したオッサンが、
メソメソしてられっかって思ってた。






だけど、ダメだった。






気付いたときには、
溢れるように頬に涙が伝ってた。










「せ、せんせぇ…」



静香が俺の手を握るなか、

鼻をすすって、右手の袖口で涙をぬぐったあと、




「あ、ありがとうございます…
本当にありがとうございます…」




ご両親に頭をさげたんだよね…






本当は…


「お父さん、お母さんのご期待に必ず応えます。
静香さんを幸せにすることを約束します」


とか、かっこいいことを言うつもりだったんだけど、
優柔不断でパニックに陥りやすいオッサンに、
そんな余裕なんてあろうはずがなくて、

頭を下げるのが精一杯だったわけで…



それも子供のようにヒクヒク泣きながら…(汗)











そして…











「お、お父さん、お母さん…
本当に…本当に…ありがとう…ううっ…」





そう言った彼女の顔に、

泣きながらではあったけど…


そこには…

今日、初めての笑みが浮かんでたんだよね…








お互い涙目で見つめあったあと…



「えへへ…」



って、照れ笑いするわけで…






ギュッと握られた彼女の掌から伝わる暖かさ。



これ以上の幸せがどこにあるだろうか。







今日のこの日…

人生最高の日になるかもしれない。





そう思ったんだ…



















これまでいろいろあった。


いつ別れてもおかしくなかった。





だけど…


俺たちはまだ付き合ってる。


お互いを想いあってる。





ご両親はもちろん、優香や智恵たち、
いろんな人たちに支えられて、

今日まで頑張ってこれた。




みんなには、本当に感謝してる。













これから、静香は大学生になる。



静香ぐらい可愛ければ、
野郎どもの誘惑も多いだろうけど…

だ、大丈夫。

静香だったら余所見しないはず。
俺だけを見つめてくれ続けるはず…多分…(汗)














「せんせぇのことが好きなんです…」







あれから3年。




少女から大人になった彼女と…




これから一緒に人生を歩んでいきたい。













いつまでもずっと…








出来ることなら、死ぬまで一緒に…

























静香の掌の温度を…




ずっとずっといつまでも感じていたいって…




彼女の暖かさに包まれて、
いつまでも安らいでいたいって…














そう思ったんだ…











24時間期間限定記事はこれで終了です。

次回からは…

『卒業、そして、すべての真実』 (仮題)

をお送りします。
第2部最終シリーズになります。

これで、静香の高校生活も終了です。
長らくご声援ありがとうございました~♪

って言っても、まだ終わりませんけどネ(笑)


【問題】

そのあと、お父様に言われました。
「ヒカル君、一つだけ言っとく。
娘との交際は許したけど…」

え………(大汗)
ヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ 


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