22日の「東京マラソン2009」は強風と雨に見舞われたが、約3万5000人の市民ランナーは悪天候をものともせず、都内の名所を駆け抜けた。完走率はほぼ昨年並みの97・0%に達した。
フルマラソンの制限時間(7時間)直前の午後4時ごろ。ゴール地点の東京ビッグサイト(江東区)では、歯を食いしばりながらも笑顔で走り抜けるランナーの姿が見られた。
最後にゴールインしたのは大阪府吹田市の会社員、上山満さん(39)。黒の上下のジャージーは雨でずぶぬれになったが「最後のランナーになるとは思っていなかった。来年もぜひ出場したい」と笑顔を見せた。東京マラソンは初出場でフルマラソンは2回目。最近は走り込み不足だったため不安だったという。「25キロあたりから苦しくなった。最後まで走れたのは、沿道の声援が力になったから」と話した。
上山さんの首に完走メダルをかけた石原慎太郎知事は「よく頑張った」とねぎらい、大会を振り返って「毎回感動するけど、やっぱり日本人は捨てたもんじゃないな。人間ってのはいいなと思う」と語った。【江畑佳明】
〔都内版〕
毎日新聞 2009年3月23日 地方版