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返した数億円どこに 貸し手変更後もSFCGに振り込み(1/2ページ)

2009年3月23日9時40分

 経営破綻(はたん)したSFCG(旧商工ファンド)と日本振興銀行の間の債権売買に、借り手の商工業者らが翻弄(ほんろう)されている。債権がSFCGから同行へ移ったことが最長で2カ月余、借り手に知らされていなかったからだ。総額で510億円分。借り手側の弁護団によると、債権者の変更を知らされなかった借り手が、SFCG側に振り込んでしまった利息や元金の総額は数億円に達する見通しで、その多くがどこに帰属しているのかわからない状態だという。

 「返したはずなのに、なぜなんだ」。茨城県内のコンサルタント会社の社長は怒りと不安をぶちまけた。

 同社に債権譲渡の通知が郵便で届いたのはSFCGが民事再生法の適用を申し立てた当日の2月23日。「貸し出し債権を昨年12月17日付で売った」。だが、SFCGからの借金は昨年12月25日に完済した。不審に思っていると今度は通知が届いた翌日、日本振興銀行から「借り換え」を勧誘する電話があったという。

 前後して通知が届いたさいたま市の包装資材販売会社も不信感でいっぱいだ。今年初めにSFCGと借金の借り換え契約を結んだのに、通知を見るとSFCGから日本振興銀行に債権が売られた日付は昨年12月17日。「債権を銀行に売り渡した後なのに、SFCGはなぜ借り換えに応じられたのか」

 SFCGと日本振興銀行の間の債権譲渡に絡んだこうしたトラブルは、借り手側を支える「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」に400件近く寄せられている。

 日本振興銀行によると、通知が遅れたのは、SFCGから12月17、30日、1月26日の3回に分けて同行へ売り渡された貸し出し債権約510億円分。朝日新聞が入手したSFCG側の資料では、債権の数は1万件超だ。借り手に知らせる通知について日本振興銀行は「SFCGに委託した」と主張。SFCG側も「通知は経営破綻前の2月20日ごろに発送した」と言う。

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